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黒曜石研究で連携 長和町立和田中学生が明治大学で研究発表

小野教授の特別講義 黒曜石をナイフに。モノづくり体験報告する生徒 歓迎する坂本恒夫副学長(左)と納谷学長

明治大学社会連携機構地域連携推進センター(センター長・福宮賢一副学長)は11月12日、明治大学黒耀石研究センターのある長野県小県郡長和町立和田中学校の生徒30人を招き、黒曜石に関する学習報告会と明治大学駿河台キャンパス見学会を実施した。

納谷廣美学長ら関係者は、約3時間かけてバスでやってきた生徒たちを駿河台キャンパスに迎えた。はじめにアカデミーコモン地下の博物館教室で生徒らに、納谷学長から黒曜石研究における長和町と明治大学のかかわりについて説明をし、「長和町には世界に発信できる黒曜石がある。今日、明治大学で感じたものを大切にし、自分のやりたいことを見つけるきっかけに」と来訪を歓迎した。生徒たちは博物館を見学したあと、リバティタワー17階のスカイラウンジ暁(学生食堂)で昼食をとった。

学習報告会 ふるさとの未来を考える

学習報告会に先立ち、長和町教育委員会文化財係長の大竹幸恵氏から、『黒曜石のふるさとを世界遺産に』という取り組みの一環で、地域の子どもたちが黒曜石と長和町の関係を学び、石器や縄文食を作るなどの体験を通して、祖先の生活や歴史などを理解しようとする試みが紹介された。

続いて、明治大学黒耀石研究センター長の小野昭教授から、黒曜石研究の意義として「日本と世界」と題した特別講義が行われた。小野教授は自らが世界的に推進する黒曜石研究について説明し、「北米やロシア、韓国とのネットワークをつくって、研究成果を長和町から世界へ発信したい」と今後の夢を語った。

最後に3年生の生徒6人から黒曜石についての学習成果が報告された。生徒らは学習の感想として、「発掘や測量など貴重な体験ができた」「長和町を知るために、もっと黒曜石を知りたいと思った」「将来、海外の人に、自信をもって黒曜石を紹介したい」など、体験学習を通して地元の遺産への理解を深めていた。

学習報告会に参加した福宮センター長は、「体験学習から得たことを、研究成果としてまとめ、発表することはとても素晴らしい。ぜひ、継続してほしい」と若き研究者たちの姿に目を細めた。