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横田ゼミ 君は外国人留学生の受け入れをどう思う? 学生2000人の調査でわかったこと 竹田 理貴(国際日本学部4年)



立命館アジア太平洋大学(APU)国際寮(大分県)での合宿 慶熙(キョンヒ)大学の学生と

国際日本学部の横田雅弘ゼミ(4年)では、「日本人学生は外国人留学生の受け入れをどう捉えているか」について、全国約2000人の大学生を対象にアンケート調査を実施した。

調査は昨年の夏に構想されたが、統計学の基礎知識を学ぶことから始めるなど、アンケート票の作成と、それを読み解く学習に時間を要した。調査の命であるアンケート票をいかに作成するか、推敲を重ね、およそ2ヶ月半をかけて完成させた。これを、明治大学を含む国内15大学に依頼して2000人の有効回答が得られた。

調査票は2部構成で、第1部は回答者自身についての質問で、性別や学年といった人口統計学的な質問にはじまり、留学や国際的な仕事への関心等の項目で構成されている。

第2部は、留学生受け入れの影響を問うもので、主な内容は、「多様な意見が出て面白い」「グローバルなビジネスネットワークを築くきっかけとなる」「留学生のための奨学金が増えて日本人学生のための奨学金が減ってしまう」「大学の授業料収入が確保できる」など30項目で構成されている。

回答は「(1)全く当てはまらない」から「(5)とても当てはまる」までの5件法で選択する形式とした。最後には、日本社会にどの程度留学生を受け入れるべきかについての意見を書く自由記述欄も設けた。

分析目標は、これらの情報の相関を調べ、日本人学生が外国人留学生の受け入れをどう捉えているのかを知ると同時に、積極的な人、消極的な人とは、どのような人なのかを探り、日本社会や大学が国際化を進めるために有益な情報を提供することとした。因子分析や重回帰分析にもチャレンジした。自由記述の分析にはKJ法を用いて、記述内容のグループ化を行ない検討した。

数々の手法を用いての解析、そしてゼミ内外での討論により、いくつかの興味深い結果が見つかった。一部をここに紹介する。

第1の発見は、「女子の方が男子よりも国際的である」一般的なイメージのとおり、本調査がそのことをはっきりと裏付ける結果になった。女子は男子と比べて、国際性因子を多く持ち、留学生の友人が多く、海外留学経験も豊富で留学生の受け入れにも積極的。国際的な仕事への関心も高かった。

第2の発見は、「短い旅行だけでも国際化意識は高まる」という結果である。回答者を海外未経験者、2週間以内の旅行等の短期海外経験者、留学経験等の長期海外経験者の3グループに分けて、「留学生への関心」や「国際的な仕事」についての回答を分析したところ、留学と比較して手軽な短期海外旅行(2週間未満)でも国際化意識の醸成に寄与するとの結果を得た。

第3の発見は、外国人留学生や自分の海外留学、そして国際的な仕事への関心が1年生で一番強く、2年、3年と学年が進行するとともに低くなっていくという、ちょっと悲しい現実だ。1年生で海外経験のある人は少ないが、できるだけ早いうちに短期でも海外を経験し、国際的な関心をさらに高める教育プログラムの必要性をゼミ生一同強く感じた。

今回の調査報告では触れていないが、韓国においても2大学の約400人の学生に対して同じ調査を韓国語で実施した。ソウルにある明治大学協定校である慶熙(キョンヒ)大学を訪問して学生たちとのディスカッションも行った。今後は日本と韓国の比較研究も進めていく。

なお、今回の調査結果の報告会を以下のとおり公開で開催する。

国際社会で活躍する力を身につける!!

2000人の調査でわかった
日本人学生の国際性と留学生の受け入れ観


[日 時] 2012年1月10日(火)18時~21時10分
[場 所] 明治大学和泉キャンパス第一校舎305教室
※山脇啓造ゼミ(国際日本学部)との公開共同ゼミ発表会の予定