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大学院 文学研究科 文芸メディア専攻 開設記念シンポジウム開催

学生をはじめ多くの受講者が集まり、パネリストの言葉に聞き入った

大学院文学研究科は11月12日、文芸メディア専攻開設記念シンポジウムを駿河台キャンパスにて開催した。このシンポジウムは、文学研究科の新たな専攻として今年4月に文芸メディア専攻が開設されたことを記念し、「<よむ>いとなみと、その未来」をテーマに開催されたもの。会場には本学の学生をはじめ約120人の受講者が集まった。

シンポジウムは二部構成で行われ、第一部では文芸メディア専攻の相良剛専任講師が「活字ばなれ」と「<よむ>力」についての問題を提起。これに次の3人が、それぞれの視点から報告を行い、「文化通信」編集長の星野渉氏は電子書籍が出版産業に与える影響を、元「講談社現代新書」「選書メチエ」編集長であり評論家の鷲尾賢也氏は編集の役割と編集者にとっての「読む」行為の重要さを、本学文芸メディア専攻の伊藤氏貴専任講師はデジタル時代の文芸の変化について解説した。

第二部では、元本学図書館事務部長の飯澤文夫氏、文芸メディア専攻の佐藤義雄教授が加わり、第一部の内容について受講者から寄せられた質問に答える形でパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションの最後に星野氏は、出版業界を志す学生に向けて「現在の出版物の変化は、江戸時代から明治時代への変化に相当するもの。これから出版の仕事をしようとする方は、自分がイノベーションを起こすつもりでこの産業に入ってきてほしい」との言葉を贈った。

閉会の挨拶を行った佐藤教授は、文芸メディア専攻を担当する教員を一人ずつ紹介。「『言葉こそがメディアの中核である』という思いで専攻を立ち上げた。文字を『読む』、言葉を『読む』という原点を守って、生きた文芸研究を発展させていきたい」と抱負を語った。