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創立130周年記念事業国際シンポジウム 商学部 「ファッション・ビジネス教育の世界展開」を 盛大に開催

特別講演は大盛況に ファッション業界を代表する2人(コシノ氏) ファッション業界を代表する2人(コラス氏)

明治大学商学部は国際シンポジウム「ファッション・ビジネス教育の世界展開 —国際ビジネス教育の新展開をめざして—」を2011年11月26日、駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催した。
 これは明治大学創立130周年記念事業の一環として行われたもので、海外の大学などで行われているファッション・ビジネス教育の現状を紹介するとともに、今後のファッション・ビジネス教育に関する国際ネットワーク構築の可能性について議論がなされた。
 
わが国では、高等教育機関でのファッション・ビジネスに関わる教育・研究は重視されていないが、海外では専門の学部等が設置されているケースも珍しくない。グローバルな人材育成に取り組む商学部では、この分野でのグローバル・ネットワークの構築・強化に向け、横井勝彦学部長を中心に海外協定校と連携して本シンポジウムを企画・主催。日本国内におけるファッション・ビジネス教育を、主導的に展開していく方針だ。

当日は学生・生徒・教職員はじめ服飾業界の関係者らも多数参加。多くの一般聴衆も詰め掛け、およそ800人が見守る中、シンポジウムが始まった。開会あいさつに立った横井学部長は、「21世紀のグローバル社会において大学が果たす役割はますます重い。本シンポジウムが国際ビジネス教育の新たな発展につながれば」とし、本取り組みの進展に大きな期待を寄せた。  特別講演は、わが国を代表するファッション・デザイナーのコシノ・ジュンコ氏と、シャネルジャパン代表取締役社長のリシャール・コラス氏を招いて行われた。

コシノ氏は丸と四角を用いたデザイン的な対比を例に、「対極の美のバランス」と題し、作品とともに自身のデザイン論を披歴。コラス氏は「究極のラグジュアリー」と題して、創業者ココ・シャネルが残した企業理念と、〝ファッションは去るがスタイルは残る〟との言葉を、同社のブランドの歴史とともにプレゼンテーションした。

続くパネル報告では同時通訳のもと、インペリアル・カレッジ、ビジネス・スクール(英国)のネルソン・フィリップス教授、モダルト・インターナショナル学院(フランス)のパトリス・デプラス校長、東華大学服装・芸術設計学院(中国)の楊以雄教授、パリ商業高等大学マネジメント学部(フランス)のガシューシャ・クレッツ博士、クイーンズランド工科大学クリエイティブ産業学部(オーストラリア)のケイ・マクマホン先生の5人が順次登壇。それぞれの国や所属する機関での「ファッション・ビジネス教育」に関する取り組みと今後の展望が述べられ、ファッション・ビジネスを核とした国際的な架け橋を繋ぐ必要性が述べられた。

シンポジウムの締めくくりでは、小川智由・商学部教授のコーディネートで、各パネル報告者がファッション・ビジネスのグローバル化進展へのメッセージを発信し、総括とした。中でもデプラス校長は特に、「この10年間でファッション・ビジネス業界は大転換している。国際的なファッション・ビジネスを構築すべく、グローバル化は避けられない。自国以外の異なる文化についても多くを学び、理解に努めることが不可欠だ」と会場の聴衆へ訴えた。

なお本シンポジウムに先立ち、明治大学創立130周年記念懸賞論文表彰式が行われた。納谷美学長、土屋恵一郎教務担当常勤理事のあいさつの後、納谷学長より同懸賞論文の社会科学分野で優秀賞を獲得した若手研究者3人、西剛広・商学部専任講師、平屋伸洋・経営学部専任助手、石田雅樹・法学部兼任講師がそれぞれ表彰された。

また、本シンポジウムに先立つ11月25日には、主として学生を対象としたパネルディスカッション「国際ビジネス教育の各国事情」を実施。商学部協定校のブレーメン経済工科大学(ドイツ)のティム・ゴイトケ教授、カーディフ大学カーディフビジネススクール(英国)のジュリアン・グールド・ウィリアムス博士、レンヌ商科大学(フランス)のロランス・ランベール国際教育センター長、FAAP大学(ブラジル)のヘリオ・ネト教授より、その国の教育事情や特徴的なビジネス教育の実例が紹介された。  参加学生らは、グローバル人材養成を目的とした国際ビジネス教育の今後の可能性や、文化の相違から生じる問題点や各大学の取り組みについて議論。明治大学商学部からも我が国や本学で行われている活動について説明がなされた。