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出版界へ、明治大学リバティブックス 編集委員長 居駒 永幸(経営学部教授)

本学創立130周年の記念すべき年に、明治大学出版会が設立されました。正確にいえば約50年ぶりの復活になるそうですが、何もないところから始めるのですから新設と同じでした。昨年7月、運営委員会のもとに編集委員会を立ち上げ、4名の編集委員の先生方とともに今年度の出版に向けて全力で取り組んで参りました。

編集委員会ではまず、明治大学の特色ある研究を広く社会に発信していくために、研究に基づく学術的な内容の教養書を叢書として刊行していくという方針を打ち出しました。学術的教養書を目指した理由は、専門的な研究書は人文・社会・科学技術の3研究所から毎年出版され、また海外発信支援委員会による海外向けの英訳出版事業も始まりましたが、本学では教養書刊行への支援がなかったからです。本学からの知の発信において、この分野の充実こそ最優先課題になると考えました。

今年度の刊行では、時間が限られていることもあって公募とし、その中から採択することになりました。10月末までに7件の応募があり、編集委員会で何度も検討した結果、叢書として2冊、それとは別枠で1冊を刊行することが決まりました。いずれも第1回出版にふさわしい、すぐれた本になると思っております。この3冊をはじめ、応募していただいた先生方には心から感謝いたします。叢書の正式名称も「明治大学リバティブックス」と決まりました。これからの編集・出版作業は丸善出版に委託することも決定しました。

きわめて短い期間でしたが、編集委員会として何とか第1回の刊行までこぎつけました。今年度の3冊は、〝これが明治大学出版会の本だ〟という評価を確立していくための第一歩となるわけです。一世紀をはるかに超える本学の学術研究が、学術的教養書の刊行によって広く一般の方々にも受け入れられ、より一層の社会連携、社会貢献を重ねていくことが明治大学出版会に課せられた役割であります。本学に蓄積されてきた研究はもちろん、文理を超えた新領域や最先端の研究からの発信も、今後の「明治大学リバティブックス」に求められることになります。最後に、これまで実務的な作業を進めてくださった研究知財の事務局に深く感謝申し上げます。