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創立130周年記念公開講座 in 天童 天童が生んだ刑法学者「宮城浩蔵に学ぶもの」

郷土の偉人についてあらためて学ぶ機会となった 宮城先生の人生を振りかえる村上教授

明治大学は11月26日、山形県天童市教育委員会と共催で、創立130周年を記念し、創立者のひとりである宮城浩蔵先生の功績を顕彰する公開講座シンポジウム「天童が生んだ刑法学者『宮城浩蔵に学ぶもの』」を宮城先生の出身地である天童市で開催し、300人が参加した。

開講に先立ち、社会連携機構長の福宮賢一副学長(商学部教授)、山本信司天童市長があいさつに立ち、それぞれ「今後も絆を深くしていきたい」「連携を深め交流を高めたい」と語った。公開講座・シンポジウムは、法学部の村上一博教授による基調講演「東洋のオルトランの眼差し」、郷土史研究家たちによるシンポジウム「宮城浩蔵を育んだ『天童』」が行われた。

村上教授の基調講演では、宮城浩蔵先生の人生を振り返り、刑法学者としての先駆者であった宮城先生を培ったフランス留学時代の様子や、専門分野である刑法民法における学問的観点から宮城浩蔵を紹介するとともに、刑法理論は、ボアソナードの師であるオルトランの受け売りでなく自分なりに整理発展させており、フランス留学時代に師事したボアソナードより精緻で今日でも通用する理論を確立していたと語った。また、帰国後の明治法律学校設立や衆議院議員としての帝国議会での商法施行に向けた活動などに触れるとともに、後進となる明治法律学校の学生たちや天童出身の後輩に対する愛情あふれる細やかな指導などの様子から、次世代の法律家を養成することへの熱い思いや現代にもつながる教育を実践していたことなどを紹介した。

続いて行われたシンポジウムは、天童郷土研究会副会長の湯村章男氏がコーディネーターを、村上教授が助言者を務め、元旧東村山郡役所資料館長の渡辺武男氏、元天童市文化財保護審議会会長の大木彬氏、山辺町ふるさと資料館長の佐藤継雄氏をパネラーに迎え、「宮城浩蔵を育んだ郷土『天童』」をテーマに天童藩校養正館での師である吉田大八との関わりや宮城先生の先代である佐藤家や武田家の家系、山形の後輩でのちに外交官として活躍する安達峰一郎との親交を通じて宮城浩蔵先生の後輩たちへの面倒見の良さなどを紹介した。受講者からの質疑応答や活発な意見交換を経て、宮城浩蔵を学ぶとともに、宮城浩蔵を育んだ郷土天童の風土や思想の背景を学ぶひとときとなった。