本棚 「語りかける山」 飯田年穂 著 (駿河台出版社、2,415円)



本書は山岳雑誌『岳人』に1年間連載したエッセーをベースに、それぞれのテーマをさらに発展させ、古今東西の登山者や関係する人物、山岳図書を縦横に駆使して「山と人」「山の文化」について語りかけた一書。取り上げられた著者・人物は89人(日本43人、海外46人)、図書は58冊(日本38冊、海外20冊)にものぼる。その博学には驚嘆させられるばかりだ。

本書は1月から12月までを季節にあわせて章立し、山の楽しさ、山の厳しさを語る。8月の、「岩に踊れば・岩に唄えば」では「なぜ山に登るか、山がそこにあるからだ」について「一般的な山を指していないことを承知のうえで…登ることに対する欲求を、案外見事に言い表している面があるのではないか。…ぜひあそこに登ってみたい!という憧憬の気持ちが心の中でときめくはずだ。」と語るが、卓見である。

山はいつでも私たちの眼前に聳え立ち、ハードな高所クライミングから低山ハイキングまで楽しめる。本書はそうした登山を「山の文化」的側面から語った著者会心の著作。

中岡久・情報メディア部長(著者は政治経済学部教授)

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