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第3回明治大学連合父母会文学賞 倉橋由美子文芸賞大賞は赤塚 絵理さん(理工研M2) 阿久悠作詞賞大賞は松原 瞳さん(文2)



作詞賞大賞受賞の松原瞳さん(文2) 文芸賞大賞を受賞した赤塚絵里さん(理工研M2)

第3回明治大学連合父母会文学賞の表彰式が2月20日、駿河台キャンパス紫紺館で開かれた。倉橋由美子文芸賞大賞に、赤塚絵理さん(理工研M2)の「魔法使いの庭」が、阿久悠作詞賞大賞には松原瞳さん(文2)の「朝は来る」が選ばれた。倉橋由美子文芸賞大賞作は芸術評論誌『ユリイカ』(青土社)3月号に掲載される。

同文学賞は、学生の意欲的な才能を発掘し、明治大学から優れた人材を輩出すべく、故倉橋由美子氏(作家、1960年文卒)、故阿久悠氏(作詞家、1959年文卒)の名を冠して設けられたもので、明治大学在学生を対象に作品を募集している。今年は、文芸賞に25編、作詞賞に110編という前年を大幅に上回る応募が寄せられた。文芸賞の選考は昨年同様、髙山宏国際日本学部教授、詩人の管啓次郎理工学部教授、翻訳家の陣野俊史文学部兼任講師が行い、作詞賞の選者は例年どおり、校友で作詞家の阿木燿子氏(2008年特別卒業認定)が務めた。

学長祝辞の中で納谷廣美学長は、「学生時代には、ただ知識を詰め込むのではなく人間らしく生きることを大事にし、感性を社会に発信していってほしい。この文学賞から第二の倉橋由美子、第二の阿久悠が出てくれれば」と受賞者たちの今後への期待を込めた。

文芸賞大賞作「魔法使いの庭」について赤塚さんは「自分自身が就職活動をする中で、感じたことや考えたことを活かして書いた」と話し、歩くべき道を見つけ出した主人公がその後どうなったかは、読者の想像に任せたいという。

この大賞作について髙山教授は「就職活動の日常を、辛さと慰めの良いバランスで書いてあり、共感を呼びそうだ。昨年ぐらいから就活をテーマにした応募作が増えてきたが、この作品のテーマはそれだけには留まらず、人間の在り方の苦しさと、それをどう癒していくのかを描いている」と述べ、佳作については「巧過ぎるほど巧い完成作品。もっと破綻してもいい」(「コントロール」)、「1年生が書いたとは思えないレベルの高さ」(「欲望 買います」)とし、「2作品とも大賞と甲乙つけがたい作品だった」と評価した。

作詞賞を選考した阿木氏(授賞式欠席のため、林義勝文学部長が講評を代読)は「東日本大震災以降、多くのミュージシャンが被災地を励ます曲や人々を鼓舞する曲を制作したが、応募作はどちらかといえば内向きで自省的なものが多かった」と振り返り、大賞作の「朝は来る」について「巧みな表現と爽やかさが印象に残る作品。若者らしい作品で好感が持てた。字数を整理し、詞として形を成しているところがよかった」と評した。

第3回明治大学連合父母会文学賞

第一部門 倉橋由美子文芸賞
大賞 「魔法使いの庭」理工学研究科2年 赤塚 絵理
佳作 「コントロール」文学部4年 高際 淳
佳作 「欲望 買います」文学部1年 三角 莉香
第二部門 阿久悠作詞賞
大賞 「朝は来る」文学部2年 松原 瞳
佳作 「歴史に載らないヒーロー」文学部2年 水竹 亜利沙
佳作 「思ってた」法学部2年 野原 大毅
佳作 「カラスがアホーと鳴いている」文学部2年 熊谷 和也