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論壇 就職活動とそのサポート体制 就職キャリア支援部長 福田 敏行

就職活動の早期化・長期化是正への「過渡期」と位置付けられた今年の就職戦線。経団連(日本経済団体連合会)の採用選考に関する企業の倫理憲章が改定され、企業の採用広報活動の開始時期が「10月」から「12月」へ変更された。

就職活動開始が例年より2カ月遅くなったことによる反応はさまざまだ。倫理憲章には『採用選考活動にあたっては、正常な学校教育と学習環境の確保に協力し、大学等の学事日程を尊重する』とあり、授業への出席やゼミナールでの研究活動、サークル活動等々の時間が確保された。一方で、企業の合同説明会が後期試験日程と重複する混乱や、例年に比べ自己分析や業界研究・企業研究の絞り込みが出来ていない準備不足の学生も見られた。

この様な状況でスタートした就職戦線だが明治大学は、今年も手作りの就職支援プログラムを中心とした諸行事を積極的に展開している。12月から始まった学内業界研究会への参加学生数は前年比3割増、2月からの学内企業セミナーは2割増で、例年以上に活発な動きとなっている。2月下旬には企業人事担当者の協力を得て実践的な模擬面接を実施した。本番さながらの環境と、熱のこもった面接指導で、一定の手応えを掴む学生、泣きながら面接室を後にしつつも決意を新たにする学生など、その気付きもさまざまだが、本番を見据えいよいよ臨戦態勢に突入した感がある。

個別の相談件数は前年比2割増で、年明けから2月中旬までは8割以上の相談が、ES(エントリーシート)添削相談である。ES作成がいかに学生の負担かをうかがい知ることができる。そして2月以降は、企業側の採用選考が本格化し始め、模擬面接の希望が増えてきている。

特筆すべきは、例年以上にOB・OG訪問用名簿の閲覧が増えていることだ。ネット情報に頼らない「生」の生きた情報を重視し、「足」を使った就職活動が展開されている良い傾向ととらえている。

実際の採用選考の動きをみると、開始時期こそ後ろ倒しとなったものの、震災で遅れた昨年と比べ、多くの大手企業では例年どおり4月以降に採用選考のピークを迎える。動き出しの早い企業では3月中旬から採用面接が予定され、依然として早期化の傾向だ。

就職キャリア支援部では、4月から本格化する採用選考に向け「Face to Face」の支援を行い、採用選考のピーク、4・5月のヤマ場に向け全力で向き合う体制を整えている。また、6月以降についても、学生と企業との直接マッチングの場を提供する学内企業説明会や、一歩踏み込んだ学内選考会を設定するなど、卒業直前まで最大限のサポートを行う。

「就職活動で不安に思う要因は?」との株式会社マイナビの学生アンケート(1月調査)では、順に(1)「就職ができるかどうか不安」、(2)「エントリーシート作成の負担が大きい」、(3)「交通費など金銭的負担が大きい」だった。不安を取り除くためには、(1)と(2)は本人の努力と、大学の強力なサポートが必要である。(3)に関してはご父母の皆さまのご理解と後方支援が必要であろう。