駿風

今年３月に卒業し、就職せずに６月上旬、世界一周の旅に出た筆者のゼミの卒業生からタイのバンコクに着いたとメールが来た。船路で上海に入り、陸路で雲南省のシーサンパンナまで移動したが、西へ行くほど人の顔が変わっていったという。いろいろな事が起こり過ぎて書ききれないが、とにかく健康で旅を続けているとのことでホッとした。

時間をかけてご両親を説得したというこの世界一周の旅は彼の積年の夢で、彼にとって見聞を広めるだけではなく、本当に自分がしたい事を見つけるための自分探しの旅でもある。出発直前に不安だと本音を吐露してきた彼に、筆者が学部生の頃ひとりで留学した最初の夜の孤独感を思い出した。

昨今、グローバル人材の必要性があちこちで叫ばれているが、彼のような「内に秘めた強さ」を持っている学生が本学にはたくさんいると思う。その資質を開花させ、彼らの「やる気スイッチ」をオンにするための様々な工夫と知的刺激を提供できるように、教職員で力を合わせてがんばっていきたいと思う。本学を知的刺激の詰まった「びっくり箱」のような場所にしていきたい。