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グローバル人材育成へ 多角的に議論を展開

会場の学生とも活発な意見交換が行われた フォーラムの成果に期待を込める福宮学長 開始にあたり、問題提起を行う納谷学事顧問 フォーラムのモデレーターを務めた勝副学長

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「大学教育改革地域フォーラム」は、大学教育の質的転換を図るために必要な課題や具体的な取り組みについて、教員や学生らが様々な立場から議論することを目的に、文部科学省が全国各地で開催しているもの。

冒頭、福宮賢一学長が「このフォーラムでは、グローバル人材の育成と学修時間の確保について議論して、さまざまな成果があることを期待する」とあいさつした。

続けて、大学基準協会長も務める納谷廣美学事顧問が「われわれ日本人が世界に参画するには、グローバル人材(の育成)に視点を置かねばならない。そこから、学修時間の問題についても議論できるのではないか」と問題提起を行った。

引き続いて、パネリストたちから「日本の教員はアメリカのように、もっと講義の内容で評価されるべき」「日本の学生は、勉強と試験対策を混同している」「長期間に及ぶ就職活動のため、授業を欠席する学生が多い」「企業が学生を採用する際、学修実績に重点を置かないのが問題」など、学修時間の短さについて様々な論点が示された。

明治大学の学生による発表では「あまり勉強をしなくても卒業できてしまう日本の大学のあり方自体がおかしい」「もっと学生間の“競争”を増やせば、学修時間も増えてグローバル化にもつながる」「アメリカでは、大学の成績が就職にもつながるので、学生は一生懸命勉強している」「日本の大学は授業数が多すぎて、1つの専門分野をじっくりと学べない」など、多くの意見が出された。

また平野博文・文部科学大臣もあいさつに立ち、「世界の構造が大きく変わる中で、日本が世界に果たすべき役割が今、問われている。資源の乏しい日本を担うのは人材で、社会が求める人材をいかに輩出するかが教育の課題であり、大学改革のポイントでもある」などと熱弁を振るった。

最後に、パネリストや会場の学生たちが活発な意見交換を行った後、モデレーターの勝悦子副学長(国際交流担当)が「主体的に学修するためには学ぶ側の努力も必要だが、教員側も授業を面白くするなど努力し、研究と同じく競争にさらされる必要がある。また、学生の大学での学びを企業がどう評価するかも重要だ」などと締めくくり、フォーラムは大盛況のうちに幕を閉じた。

なお当時の模様は、インターネット上の動画サイトでも生中継された。