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特定非営利活動法人「桜ライン311」2011年度活動報告会in東京

岩手県陸前高田市の津波到達点上に桜を植樹

活動への思いを切々と語る「桜ライン311」代表の橋詰さん

東日本大震災で2000人以上が犠牲となった岩手県陸前高田市の津波到達点上に桜を植樹し、震災を後世に伝えることを目的とする特定非営利活動法人「桜ライン311」は10月6日、明治大学震災復興支援センターとの共催で、「2011年度活動報告会in東京」を駿河台キャンパスにて開催。約80人の来場者を前に、関係者が講演や活動報告を行った。

冒頭、「桜で伝える減災意識」をテーマに基調講演した同法人代表の橋詰琢見さんは「津波で電柱や建物が壊れる音は今でも忘れられず、どこの国がミサイルを落としたのだろうと思うぐらい、街はがれきに覆い尽くされた。津波によって感じた悲しみ、絶望感、怒りを子供たちに二度と味わわせたくない、繰り返したくないと思った」と語り、津波被害の壮絶さや活動に至った思いを説明した。

その上で、橋詰さんは「地震のとき、この津波到達ラインまで逃げれば助かるも知れないと後世に伝えていくことが我々の使命であり、その思いを桜に託した」「人間のつくるものには限界があり、『防災』という言葉は好きではない。災害があれば、まずは逃げるという『減災』意識を持ってほしい」と来場者に訴えた。

続いて、陸前高田市や岩手県出身の学生らで構成され、「桜ライン311」の活動にも携わる「地域支縁団体ARCH」代表の佐藤柊平さん(農3)が、「東日本大震災と向き合うこと」をテーマにゲスト講演。佐藤さんは「震災復興にあたっては、過疎化や地域経済の活性化、農山漁村の振興など、本質的な地域課題とも向き合う必要がある。地域に誇りや減災意識が生まれ、陸前高田に桜が咲き誇る日を夢見て、活動を続けていきたい」と述べ、活動への理解と協力を求めた。

さらに、計259本の植樹や普及、啓発事業を行った2011年度の活動報告と、2012年度の事業計画を説明し、来場者との質疑応答の後、会は終了した。