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商学部国際シンポジウム「ロジスティクスとマーケティングの融合」を開催

世界の第一線の研究者たちが、グローバルかつ闊達な議論を展開

商学部は11月24日、国際シンポジウム「ロジスティクスとマーケティングの融合—顧客・企業間連携、価値創造—」を開催。米・英・中の第一線の研究者3人による基調講演や、本学教員らも交えてのパネルディスカッションが行われ約400人が来場した。商学部主催の国際シンポは、昨年の「ファッションビジネス教育の世界展開」に続いて2回目。

冒頭、主催者を代表して横井勝彦商学部長があいさつし、商学部における国際化の2つのテーマとして「世界の大学でビジネス教育がどのように行われているかの研究」および「ビジネス教育の世界的なネットワーク構築」を挙げた。

続いて、小川智由商学部教授(商学科長)が「これからの企業・ビジネスのあり方やグローバル化の中で、ロジスティクス(物流)とマーケティングの関係について考えたい。商学部でも今後、海外の先端研究を取り入れながら、ロジスティクスの国際的研究を進めていきたい」とシンポの趣旨説明を行った。

第1部は基調講演。米・ミシガン州立大学のDr.ブレンダ・スターンクィスト(国際小売業経営)、英・クランフィールド大学のDr.ソルーシュ・サグヒリ(リバースロジスティクス)、中国・大連海事大学のDr.楊忠振(港湾物流)の3人がそれぞれ、自らの専門分野に関して、スライドを交えながら企業の事例紹介や問題提起を行った。

第2部のパネルディスカッションには3人に加え、日本ロジスティクスシステム協会、総合研究所副主任研究員の久保田精一氏、菊池一夫商学部教授、町田一兵商学部専任講師もパネリストとして参加。第1部の基調講演を踏まえて、いかにマーケティングに合致したロジスティクスを展開するか、活発に意見が交わされた。

町田専任講師は、流通業に対する日本の学生のイメージが悪いとの調査結果を取り上げ、「いかに流通業の高付加価値化を図るか。学生の段階から現場を見て知ることも大切だ」と問題提起。菊池教授は「ロジスティクスとマーケティングの融合の中核となるのは情報。顧客の立場から統合を図ることが重要だ。また、産業界と大学が良い関係を築いて成果を学生に還元していくことも求められる」と議論を取りまとめた。

最後に、小川教授が「従来はマーケティングが優先され、ロジスティクスがそれに合わせるという形だったが、これからは逆の動きも出てくるのではないか。学会においても、新たなロジスティクスの形を研究していきたい」と総括し、シンポは閉幕した。