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吉田菊次郎著(1967年商卒)『西洋菓子 日本のあゆみ』 好評発売中 

商学部が昨年10月に行ったミニ・シンポ(本紙650号にて既報)に、パネリストとして出演したブールミッシュ代表取締役社長の吉田菊次郎氏。100冊を超える多くの著作があることでも有名で、和泉図書館には50冊を超える寄贈もされている。その吉田氏の集大成ともいえる著作が昨年7月に刊行され、好評を呼んでいる。横井勝彦商学部教授より推薦文が寄せられたので、ここに紹介する。

『西洋菓子 日本のあゆみ』吉田菊次郎 著(朝文社、3,029円)



本書の著者は、わが国を代表するパティシエとして、さらには全国に100店舗以上の支店を展開するフランス菓子店ブールミッシュの創業者として、多方面で活躍しているが、執筆活動でもまさに超人的である。洋菓子や食文化からビジネス論に至るまで、その著書はすでに100冊を超える。

本書は、このようなマルチ人間の著者が「西洋菓子の日本史」を真正面から扱った本格的な研究書である。とは言っても、だれにも馴染みのある洋菓子の変遷史、文章も平易かつ軽妙でユーモアに溢れ、読者を魅了して決して飽きさせない。

神話の時代から明治・大正・昭和、そして平成に至る悠久の日本史のなかで、和菓子はどのようにして洋菓子へと進化したのか。

鉄砲伝来とお菓子、鑑真和上が教えた砂糖の味覚、支倉常長のチョコレート遭遇、幻の東京カステラ、ドロップ初見、遣米使節団とアイスクリーム、時代を一変させた森永製菓の誕生、チョコラベル昭和伝、流行甘味現世事情…食文化史はとにかく面白い。新たな発見が無数にある。