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「植村直己冒険賞」受賞者発表

日本人初の8000m峰14座制覇の竹内洋岳氏に

「プロ登山家という言葉に命をかけて14座を登った」と竹内氏(左は中貝市長)

明治大学が誇る世界的な冒険家の故・植村直己氏(1964年農学部卒)を讃えて創設された2013年「植村直己冒険賞」の受賞者発表が2月25日、駿河台キャンパス紫紺館で行われた。今回受賞したのは、日本人初の8000m峰14座完全登頂に成功した登山家の竹内洋岳氏。加えて、女性最高齢の73歳で2度目のエベレスト登頂を果たした登山家の渡邉玉枝氏と、ガイド役で日本人最多の7度目の同峰登頂を達成したカメラマンの村口德行氏の2氏が特別賞に選出された。

同冒険賞は、植村氏の出身地である兵庫県豊岡市が、植村氏の精神を継承し、人々に夢や希望、勇気を与えるような創造的な活動を行う個人または団体を表彰するもので、今年が17回目。明治大学は1996年の創設時から協力している。

受賞者の発表を行った豊岡市の中貝宗治市長は、特別賞が出たことについて「お二人が貫く姿勢には、植村直己の『世界の美しいものを見てみたい』という精神に通じるものがあった」と説明した。

冒険賞を受賞した竹内氏は「このような名誉ある賞をいただいたことに感謝している。今回の受賞が人々の山に向かうきっかけになれば」と喜びを語り、植村直己氏について「偉大な山の先輩のひとり。先輩たちが登山や冒険を続けてきてくれたからこそ、我々は今も登山ができる」と尊敬の念を示した。

今回の受賞は、脳血栓の発症や雪崩による遭難で死線をさまよう経験をしながらも、自身が掲げた8000m峰14座制覇の目標を達成したことが認められた。この模様は、豊岡市会場の府中小学校にも中継され、竹内氏は児童たちに向けて「夢を見るのではなく、目標を見つけてほしい。時に後戻りすることもあるかもしれないが、立ち止まっていても頂上は近づいてこない。とにかく歩き続けてほしい」と登山家らしいメッセージを送った。

6月15日には、豊岡市内で授賞式と記念講演が行われる。