Go Forward

黒川農場×川崎市 生ごみリサイクルの実証実験をスタート

覚書を交わした玉置農場長(左)と稲垣環境局長

明治大学黒川農場は2月12日、川崎市と生ごみリサイクルの実証実験にかかわる連携事業の覚書を取り交わした。これは、市民一人ひとり、自らが環境問題に取り組むためのプロジェクトで、市民モニターが各家庭の生ごみを、市から提供されるダンボールコンポストで堆肥化。それを、4カ月毎に市が回収して黒川農場へ搬入。農場では、この堆肥を利用しての農作物の展示栽培や、成分分析などを実施し、生ごみ堆肥の信頼性を向上させるほか、市民や農家、関係団体への施肥指導を行うというもの。

調印式は黒川農場で執り行われ、玉置雅彦農場長(農学部教授)と、川崎市環境局の稲垣正局長が、それぞれ覚書に署名した。

調印後の懇談で稲垣局長は、川崎市の生ごみ・年間40トンが焼却処分されている現状に触れ、CO2の削減が目的としながらも、「環境問題は行政だけの取り組みだけでは解決できない。市民一人ひとりが、自らの問題と捉えて取り組むことと、明大と市の相互が有する知的資源や地域資源が有効に活用されることが重要だ」と述べ、実践に向けた大きな一歩が踏み出されたことへの期待感を表した。

玉置農場長は、2007年12月に同市と締結した包括的協定に基づく、初めての具体的なプロジェクトとして「今後、資源循環というテーマにおいて、農業という分野が貢献できる部分は多い。市民の皆さんと一緒に勉強していきたい」と意気込みを語った。

今回募集された市民モニターは川崎市麻生区の10世帯。プロジェクト期間は4月から1年間で、参加者は家庭での生ごみ発生量や、ダンボールコンポストへの投入物のチェックリストの記入を行う。ダンボールコンポストはみかん箱大の大きさで、中のおが屑と微生物が働き、生ゴミを分解して堆肥化する仕組み。腐敗臭はほとんど無く、1箱で約10kgの堆肥を作ることができる。

なお市民モニターは、秋頃に予定されている発表会に招待されるほか、生ごみ堆肥を利用して育てられた野菜がプレゼントされる。また、堆肥を利用した野菜栽培の講習を受講する特典が与えられている。