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障がいのある学生のサポート方法を学ぶ「障がい学生学習支援セミナー」を開催

キャンパス周辺で車いすを体験。利用者の目線と介助方法を同時に学んだ

明治大学学習支援推進委員会は6月15日、教職員を対象とした「障がい学生学習支援セミナー」を駿河台キャンパスで開催。参加者は、実践演習を通じて障がいを持つ学生への理解を深めるとともに、適切なサポートのために必要な知識と手法を学んだ。

セミナーは6時間にわたって講義と実習形式で行われた。冒頭の講義では全国ユニバーサルサービス連絡協議会の紀薫子代表が障がいのとらえ方やバリアフリー、ユニバーサルサービスなどについて解説。建物や施設、製品デザインといったハード面だけではなく、人によるコミュニケーションの重要性を強調した。

続いて、「耳の不自由な学生」「車いすを使用する学生」「目の不自由な学生」への支援方法を参加者が実習形式で体験。耳の不自由な学生とコミュニケーションをとる手段として、読話(口の動きから音声を読み取ること)、手話、空書(空間に手で文字を書くこと)、筆談の4点が紹介され、参加者は手話を使った数字や時刻などの表現方法を学んだ。

午後の部では、車いすの基本的な使用方法と、段差やエレベーターなどでの支援方法を学習。車いすに乗る受講者と介助役となる受講者に分かれて、駿河台キャンパス周辺を車いすで通行した。車いすを体験した受講者からは「すれ違う歩行者からの視線を感じた」「目線が低く怖かった」などと実体験によって得られた感想が寄せられ、「介助を行う際に参考になる」との声が聞かれた。

最後の講義では、目の不自由な学生への支援方法が紹介された。「視覚情報を得られない方を案内する際には、音声による情報提供が重要である」との説明があり、声かけの冒頭で自分が何者であるか名乗ることや、案内中に周辺の状況を随時音声で伝える必要があることが述べられた。そして、アイマスクを付けた受講者が、別の受講者の誘導で駿河台キャンパス周辺を歩き、視界を遮断された状態で移動する不安感を体験した。

紀講師は「普段は自分と異なる環境に置かれた人にあまり意識を向けていない。まずは関心を持つことから始めてほしい」と呼びかけ、受講者は本セミナーで得た知識を活かすべく気持ちを新たにした。