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博物館「岩宿遺跡出土品」初の海外出展

岩宿遺跡出土品は多くの注目を集めた 韓国・石壮里博物館

韓国公州市にある石壮里(ソクジャンリ)博物館で7月15日に開幕した「日本旧石器の始まり“岩宿”」特別展に、本学博物館所蔵の国指定重要文化財「岩宿遺跡出土品」(1975年指定、登録番号344)のうち29点が展示された。「岩宿遺跡出土品」の初の海外展示となった。

韓国延世大学校により発掘された石壮里遺跡(1964年)は、韓国初の旧石器時代遺跡。石壮里博物館は石壮里遺跡の所在地にある。本学により発掘された群馬県みどり市の岩宿遺跡(1949、1950年)も日本で最初の旧石器時代遺跡として知られる。岩宿遺跡は国指定史跡(1979年指定)で、その所在地には岩宿博物館が設置されている。両遺跡はともに日韓の旧石器時代考古学における研究の起源となった記念碑的遺跡となる。

公州市とみどり市は、2012年に考古学を中心とする文化交流に関する協定書を締結し、文化交流事業の第1弾としてこの特別展が企画された。展覧会は石壮里博物館・岩宿博物館・明治大学博物館が主催で、会期は7月15日~2014年2月2日。重要文化財29点の展示は9月半ばで終了し、以降はレプリカを展示する。岩宿遺跡出土石器29点、岩宿遺跡発掘の記録類15点その他写真、岩宿周辺遺跡の出土品71点を見ることができる。

韓国への重要文化財の運搬には岩宿博物館と本学博物館のスタッフが同行し、現地で展示作業を行った。7月15日に石壮里博物館で行われた開幕式典には、日本側からみどり市の関係者と明治大学の安蒜政雄文学部教授、風間信隆博物館長、島田和高博物館学芸員が参列した。