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法学部 Law in Japan Programを開催

国会議事堂前で記念撮影

法学部は、日本の法と法制度を英語で学ぶ夏期短期集中講座「Law in Japan Program」を7月29日~8月9日に開講した。今年は、イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・オーストリア・ポーランド・アメリカ・カナダ・メキシコ・オーストラリア・ニュージーランド・シンガポール・タイ・中国の計14カ国から学生・社会人が25人、さらに本学法学部生5人が加わり、計30人が参加した。

参加者らは、2週間にわたって、憲法、刑法、民事裁判、国際法、家族法、会社法や知的財産法など各法分野に関する基礎知識を授業形式で学んだほか、フィールドトリップとして最高裁判所や企業法務部門、法律事務所、入国管理局支局など“法の現場”も訪問。授業で学んだ知識をより詳細かつ具体的に深めていった。

最終日の8月9日には、衆議院法制局を訪問し、国会での立法手続きや法案可決率の推移などについて同局法制主幹室担当者から1時間にわたって講義を受けた。「衆議院法制局スタッフは何人?」「日本の国会議員の選出方法は?」「法案の可決方法は起立?それとも挙手?」など参加者たちは熱心な様子で質問していた。その後、同局職員らのガイドで国会議事堂内を見学。本会議場のほか、予算委員会が開かれる第一委員室や委員長室、議長応接室などを訪れ、法案成立までの協議の過程などについて学んだ。

2週間集中的に日本の法を学んだ参加者らは最終日、一様に満足げな表情を浮かべ、別れを惜しんだ。フランスで法律を学ぶ大学生のバレンタイン・シリーさんは「いろんな国から参加者が集まっており、本当に楽しかった」と目を輝かせ、「日本の法律だけでなく、日本文化や言語、歴史的背景についても学ぶことができ、とても有意義だった」と笑顔。香港の国際法律事務所で働くメン・イェン・ボクさんは「趣味と仕事を兼ねて参加した。多様な国の個性的な面々と交流できて楽しかった。フィールドトリップでは、普段簡単に入ることのできない裁判所や入管なども見られて、非常にいい経験ができた」と話した。

海外の弁護士、大学教員からも高い評価 法学部 小室輝久准教授

英語で日本法の授業を行う本プログラムの主な目的は、外国人学生に日本法を学ぶ機会を提供し、本学に長期留学するきっかけを与えることにある。毎年、プログラム終了後に、受講生から本学法学部や大学院法学研究科への留学に関する相談や問い合わせがある。本学への留学の関心を高める点において本プログラムは成功していると思っているが、法学部として、1セメスターないし1年間、日本法を学ぼうとする外国人留学生の受け入れ体制を整備すること、特に、英語で授業を行う法学部専門科目の拡充と、協定校以外からの外国人留学生の受け入れ制度の導入が必要であると考えている。

今年度は、外国人25人に加えて、法学部の日本人学生5人(1年生4人、3年生1人)が参加した。外国人学生と一緒に英語で法学の授業を受講することにより、長期留学への動機づけを行うことを意図している。高校時代に留学経験がある4人をはじめ5人全員が、このプログラムを通じて専門知識と国際性を身につけることに強い意欲を示した。本プログラムは、「英語で法律の仕事ができる人材」を育成するという、法学部のカリキュラム・ポリシーを実現するための一翼を担っていると信じている。

本プログラムには、例年、外国人学生だけでなく、外国人の弁護士、大学教員、会社員などの社会人が相当数参加しており、高い評価を得ている。今後は、社会連携の観点から、外国人の社会人向けの法学プログラムの開発を行うつもりである。