Go Forward

福島県 新地町で“明大Week”学生・教職員が一体 復興支援活動

被災された住民の方との交流会

福島県新地町と「震災復興に関する協定」を締結している明治大学は、「明大Week in 新地町—明治大学が新地町にやってくる!」のキャッチフレーズの下、8月3~9日にかけて同町で教職員と学生がボランティア活動を実施した。「東日本大震災“復興支援ボランティア”講座」(学部間共通総合講座)の履修生の様子などは商学部の鳥居高教授が、文学部の平山ゼミの活動については平山満紀准教授が、夏祭りに協力した明大職員の活躍は評価情報事務室の松永基希氏が寄稿で報告する。

新たなステージに入った復興支援

図書館での学習支援活動

昨年度に引き続き、学部間共通総合講座「東日本大震災“復興支援”ボランティア講座」履修学生(23人)が8月5~9日まで2班に分かれ、福島県新地町で復興支援活動を展開した。今年度は3日に開催された新地町商工会青年部主催の「やるしかねぇべ祭り」への参加を皮切りにして9日までを「明大Week  in 新地町」と名付け、学生、教職員(理工学部の土屋一雄教授、矢崎成俊准教授による夏休み科学教室など)がセットになって支援活動を展開。また12日からは学生ボランティアが、震災で流された写真や思い出の品々を住民に返却するための「思い出倉庫ボランティア」活動も1週間行った。

5日からの活動内容は、「明大生と学ぼう、遊ぼう、夏休み」をキャッチフレーズにして、昨年に引き続き新地町図書館での学習支援に加え、児童クラブでの子どもたちとの活動、小学校でのプール活動支援など、新地町の小中学生を対象に実施。プールの活動には、公認サークル・ウォーターポロの有志も参加した。これらの活動を通じて、新地町の子どもたちの元気を呼び起こし、それが町全体への活性化につながるようにとの思いから、連日学生たちはへとへとになるまで活動した。活動中はそろいのTシャツを着用していた効果もあり、町中でも住民から「ありがとう。そしてよろしくね」と声を掛けられることが多く、明大生もまた元気をもらった。

新地町での復興支援は、行政による復興が進む一方で、子どもたちへの教育やスポーツ支援などソフトの支援が求められている。今回は新地町で被災された住民の方や地元で復興支援に関わっているNPO有志との交流が進むなど、次なるステップへ向けて活動を進めることができた。

(鳥居高商学部教授)

バトントワリング・けん玉・マジックショー

みんなでバトンに挑戦 本物のマジックに驚き けん玉うまくできるかな

福島県新地町で8月3日、復興を祈念し開催された夏祭り「第3回やるしかねぇべ祭り」(新地町商工会青年部主催)に、明治大学職員がボランティアとして参加。「バトントワリング」「マジックショー」「けん玉教室」などを行った。

バトントワリング(バトン)は、日本バトントワリング協会公認指導員資格を持つ明大職員の星野彩乃氏が講師を務め、バトントワリングの披露とミニ教室を開催。バトンの扱い方の基本から紹介し、大人から子どもまで多くの方がバトンの楽しさを体験した。

プロのマジシャンとしても活躍する本学職員岡井泰彦氏のマジックショーには、多くの観客が来場。空っぽにしたはずのコーラ缶の中にコーラが復活するマジックなどを披露すると、会場からは大きな歓声が沸き起こった。本格的なマジックを見るのが初めての人も多く、驚きと衝撃の連続に目を丸くしながら観覧していた。

日本けん玉協会認定3段の職員松永基希が講師を務めたけん玉教室では、基本的なけん玉の持ち方や技を指導。けん玉の大きな皿の部分に玉を乗せる「大皿」や、けん先に玉を入れる「とめけん」などの技に挑戦。中には熱中して2~3時間挑戦し続ける子の姿もあった。
明治大学では、今後も町の復興に向けた盛り上げへの協力を続けていく。

(明治大学職員 松永基希)

文学部平山ゼミ生もボランティア

海岸を清掃するゼミ生 お祭りでは学生ならではの盛り上げも

前日までの長雨がやっとあがり、真夏日となった「やるしかねぇべ祭り」。平山ゼミの学生たち11人は、商工会の出店各団体の、あらゆる手伝いに奮闘した。商店のご主人やお客さんと、津波後の生活や復興活動などをめぐり、話をする機会も多かった。

学生たちは、手伝いの一方、ゼミのオリジナルな企画の「〇×クイズ」も行い、小中高校生たちと楽しく交流した。

この日は夜の花火大会とその後の片付けまで手伝い、翌4日も早朝から撤収作業。長雨の後のお祭りだったため、使用した数百の長机やパイプ椅子などは泥まみれ。グラウンドはでこぼこで、会場のトイレは泥だらけ。泥の洗浄やトイレ清掃などを、学生達が積極的に引き受け、笑顔でやり遂げたことには、商工会や役場の方達からも、「こんなに働いてくれるとは思わなかった」と讃嘆された。

この日は撤収作業の一方、新地町図書館での学習支援活動も行ったほか、ゼミ生全員でビーチの清掃作業も実施。津波で流されたさまざまな生活用品が、砂浜に散らばり、埋まっているのを、胸を痛ませながら、拾っていった。

平山ゼミでは、被災と復興をテーマに社会学的な研究もしており、学生たちはこの体験をもとにさらに調査、考察をしていく。

(平山満紀文学部准教授)