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先端数理科学研究科「高校生のための先端数理科学見学会」を開催

ユニークな錯覚作品を用いながら様々な錯視現象を紹介 青い塩水の入ったコップなどを使って時計をつくる実験

明治大学大学院先端数理科学研究科は8月9日、東京都高等学校数学教育研究会などとの共催で、「高校生のための先端数理科学見学会」を中野キャンパスにて開催。参加した14校80人の高校生たちは多彩な講義や実験を通じて、最先端の数学が身の回りの現象の理解や、生活・産業に幅広く応用されていることなどを学んだ。

講義は1コマ45分で、「貝殻の不思議」「錯覚コンテスト世界チャンピオンまでの道」「サイコロで分子のキモチを理解する」「数学を使ったデータの見方を学ぶ」「数学のアイデアで『時計』をつくろう!」の計5テーマ。高校生たちは2グループに分かれて、午前に2コマ、午後に3コマをそれぞれ受講した。

「数学のアイデアで『時計』をつくろう!」の講義では、先端数理科学研究科の末松信彦特任講師が時計の歴史のほか、心拍やホタルの明滅など生き物の動きも時計と同様、一定のリズムを刻むことなどを紹介。高校生たちが各班に分かれて時計をつくる実験では、青い塩水入りの穴の開いたコップを普通の水が入った容器の中に沈めると、青い塩水が一定のリズムでコップから出たり入ったりする現象が発生。高校生たちは歓声を上げながら、その様子を食い入るように見つめていた。

「錯覚コンテスト世界チャンピオンまでの道」の講義では、フロリダで今年5月に開かれた第9回ベスト錯覚コンテストで最優秀賞を受賞した先端数理科学研究科博士前期課程2年の小野隼さんが、自作の錯覚作品などを用いて様々な錯視現象を紹介。さらに、米国の人気キャラクター「バットマン」に扮した小野さんが錯覚作品のプレゼンをする同コンテストの映像が流れると、高校生たちからも笑いと拍手が起こった。小野さんは最後に「錯覚の研究は面白いだけではなく、先駆者にもなれる可能性を秘めている」と締めくくった。