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中央図書館 小学生が「一日図書館長」に挑戦

辞令を受けてこれから館長の任務につく3人 古書の取り扱いを習う一日館長たち

中央図書館は8月2日、小・中学生に図書館長の仕事を体験してもらうイベント「一日図書館長」体験を開催した。

2009年から始まったこのイベントは、大学図書館の社会貢献の一環として行っており、参加者の子供たちに図書館の仕事を通じて大学図書館の重要性を知ってもらうとともに、子供たちの視野を広げ、社会性をつちかう機会を提供することが目的。今年は、約40人の応募があり、「読書が大好きで図書館の仕事を経験してみたい」という小学校6年生の山本里夏さん、関有羽さん、5年生の尾形綾香さんの3人が選ばれた。

イベントでは最初に図書館の現場で活躍する司書と参加者が対面。図書館が用意した一日館長の名刺を受け取った3人は、館長としての心構えやマナーについて説明を受け、その後、図書館長の金子邦彦教授(情報コミュニケーション学部)の待つ館長室で辞令の交付を受けた。図書ラベル作成や、システム室など日ごろは見られない図書館の舞台裏を見学した3人は、午後からカウンターに座って実際に貸し出し業務を体験。多くの大学生が小学生の一日館長から本を借り、笑顔を見せていた。

締めくくりには、大学関係者もなかなか足を踏み入れることがない貴重書庫に入庫。古書の取り扱いを教わりながら19世紀初頭にナポレオンのエジプト遠征に同行した学者が残した大きな図版入りの本や、明治大学校歌の原譜、豊臣秀吉の家臣の書いた書状などを閲覧した。

最後に金子館長にタスキを返却し、無事に任務を終えた3人は、「学校の卒業研究で図書館のことについて調べるので、今日の体験がとても役に立つと思う」(山本さん)、「日頃は見られない図書館の仕事を見ることができて面白かった」(関君)、「めずらしい本や豊臣秀吉の家来が書いた手紙が見られて、図書館にはすごいものがあると驚いた」(尾形さん)と感想を語った。金子館長は「大学の図書館は開かれた場所。何か分からないことがあったらぜひ、訪ねてほしい」と3人に声をかけた。