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トヨタ社長が車の魅力を明大生に講演

明大生に車の魅力を語る豊田社長 「ガチトーク、ゆるトーク」のタイトル通り、学生からは率直な質問が投げかけられた

明治大学と日本自動車工業会は9月26日、トヨタ自動車の豊田章男代表取締役社長による講演会「明大生×アキオトヨダのガチトーク、ゆるトーク」を駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催。会場を埋めた約900人の明大生に、豊田社長が車づくりに込める想いを等身大の言葉で語った。

この講演会は、日本自動車工業会が関東・関西の8大学と連携し、自動車メーカーのトップが大学で講演する「大学キャンパス出張授業~経営トップが語る車の魅力~」の一環として行われたもの。若者の車離れが指摘される中、自動車メーカーのトップが自ら大学キャンパスに出向き、車やものづくりの魅力を楽しく語ることで、若い世代に車やものづくりの魅力を感じてもらうことを目的に開催された。

ステージに登場した豊田社長は「今日は素顔をたっぷりとお見せします」と笑顔で宣言。講演は対談形式で行われ、明大生を代表してステージに上がった阿部満里さん(政経4)、三木翔太さん(文4)、高島華子さん(政経4)が豊田社長にさまざまな質問を投げかけた。

「今日は車ファンを増やすために来ました」と語る豊田社長。学生から「若者の車離れ」の原因を質問されると、「私が若いころは免許を取って車に乗るのが常識だった。今は携帯電話など、車以外にお金を使うものが増えたことが原因だと思う」と、若者を取り巻く環境が変わったことを指摘。続けて、現在の若者にトヨタ車の魅力を伝える方法を問われ、「車を楽しむ時代を過ごした私たちの世代が、車で楽しんでいる姿を若者に堂々と示して、車の必要性を訴えること」と回答。さらに今後の車づくりに向けては、「犬を愛犬、車を愛車と呼ぶが、冷蔵庫を愛機とは言わない。車は友達のような存在になり得る力を持っている。今後どんな交通社会になったとしても、車がワクワクドキドキする存在であり、感情に訴える存在であることは絶対に維持発展させていく」との考えを示した。

また、豊田社長が自ら参加するレース活動について「人より速く走るために参加しているのではなく、もっと良い車が作れるよう体のセンサーを研ぎ澄ますために参加している」と意義を説明。社長がレース活動を行うことに対して社内に反対意見があることも明かしつつ、「でもやっぱり車が好き」と車好きの素顔を前面に出しながら、学生に車の楽しさ、車づくりの魅力を語り続けた。

学生からの質問テーマは豊田社長の私生活にも及び、普段の食生活や車の所有台数、さらには収入に関する質問も。豊田社長は「世界の自動車メーカーの中で、最も燃費の良い社長と言われている」と笑いながら答え、会場を沸かせた。

最後に豊田社長は「私にとっては全ての車が子どものような可愛い存在。ぜひ皆さまにも車育てにご協力いただいて、素敵な交通社会の実現を応援いただきたい」と語り、会場は大きな拍手に包まれた。