Go Forward

「グローバル人材と企業のアジア展開」シンポ

さまざまな立場と視点からグローバル人材の育成について議論

明治大学は8月27日、日本経済新聞社と共催で「グローバル人材と企業のアジア展開」をテーマにしたシンポジウムを、駿河台キャンパスのリバティホールで開催した。企業やアセアン地域の大学関係者らも含め、定員を上回る約600人が参加。成長市場であるアジアでの事業展開に必要な人材の育成について、多角的な議論が展開された。

シンポジウム前半は、総合商社双日の加瀬豊代表取締役会長が「企業のグローバル展開と人材活用」と題し、同社における人材採用の変遷をたどりながら、「グローバル人材には、世界共通語としての英語をベースにした、自己確立、専門性、許容力(異文化理解)の3つの要素が大切だ」とした上で、「これからは若い皆さん(学生)がアジアの未来を築いて欲しい」と期待を込め、講演を終えた。

続いて、国際交流基金の吉尾啓介上級審議役(日本語試験センター所長)が「アジアでの日本語教育-現状と課題」と題し、講演。世界で日本語を学習している約400万人の8割超がアジア圏に集中している現状や、学習者数や目的の経年調査データを紹介し、「今後は、アジアに進出する日系企業とさらに連携協力を強化しながら、オールジャパン体制で、日本語学習のメリットを『見える化』していきたい」と意欲を示した。

休憩を挟んだのち行われたパネル討論は「グローバル人材、こう育てる」をテーマに、日経BP社の高柳正盛氏が進行役を務め、パネリストとして勝悦子副学長(国際交流担当)、帝人の藤本治己人財開発・総務部長、チュラーロンコーン大学文学部東洋言語学科のユパワン・ソーピットヴッティウォン博士、ホーチミン市国家大学人文社会科学大学日本学科のゲン・ティ・ホアン・ジエム博士の4人が登壇。本年度タイに開所した「明治大学アセアンセンター」が果たす役割や、アセアン地域と本学を繋ぐ取り組み、日本企業が求めるグローバル人材の条件、タイやベトナムにおける日系企業の社会的な位置づけや文化の違いなど、それぞれの立場からの見解が述べられた。