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MIMS 高校生による現象数理学の研究発表会を開催

活発な数学交流が行われたポスター発表ブース

先端数理科学インスティテュート(MIMS)現象数理学研究拠点(CMMA)は10月13日、「身の回りの現象を数理の目で見る!」をテーマに、中野キャンパスでは初となる「高校生による現象数理学研究発表会」を低層棟5階ホールで催した。広島大学附属高生ら6グループの口頭発表と、20のポスター発表が行われ、約100人が現象数理学の研究を通じて交流した。

この発表会は、高校生の自主研究の成果を発表する機会を提供し、現象数理学の奨励と普及を図ることを目的とするもの。冒頭に行われた口頭発表では、カールや鈴カステラなどの菓子類を食べた時に口が渇く現象を数式化して考察。「お菓子の密度が小さい(空洞が多い)、または平べったい(細長い)と口の中が乾く」との結論を導いた。このほかにも高校生ならではの着想があり、発表ごとに活発な質疑がされた。

交流も兼ねたポスター発表では、フロアのあちこちで、目を輝かせながら話をする高校生たちの姿が見られた。

●口頭発表一覧
  1. 「ゲームを数学する」(広島大附属高)
  2. 「閉鎖系Belousov-Zhabotinsky反応の長時間挙動」(茨城県立水戸第二高)
  3. 「ブロカール点」(筑波大附属駒場高)
  4. 「折れ曲がった斜面で跳ねるボールの飛距離」(市川学園市川高)
  5. 「ペットボトルロケットの数学的考察」(広島大附属高)
  6. 「毛細管現象で見る『お菓子による口の渇き』」(市川学園市川高)

発表会を終えて

コーディネーター  池田幸太特任講師(先端数理科学研究科)

高校生たちの発表内容、プレゼンテーションのレベルは非常に高かった。研究の対象も多岐に及び、我々教員も目を見張るものもあり、日頃から研鑽を積み重ねていることをうかがわせた。また、発表後には質問が飛び交い、活発に議論をしている姿も印象的だった。

一方で、我々教員の役割を再認識させられる発表会でもあった。研究や発表の質を向上させるために、学生へフィードバックをどのような形で行うか、常に思い見ていかなければならないだろう。