Go Forward

博物館 南山大学人類学博物館と交流事業

パプアニューギニアの物質文化(明治大学博物館常設展示室にて) 史料が語る江戸捕物帖の世界(南山大学人類学博物館展示室にて)

明治大学博物館は昨年11月9日~12月14日、南山大学人類学博物館(名古屋市)との交換企画展「パプアニューギニアの物質文化」を開催した。

明大博物館では、東海地区の大学との連携を推進するため2010年度より南山大学人類学博物館との交流事業を開始。2012年度までの第1期では、博物館資料論の共同研究と、資料収集の来歴を検証する展覧会を行った。

今年度から始まった第2期は、在学生・一般を対象とする教育普及を主眼としており、今回の企画展はその一環。

企画展では、互いに相手校の所有しない分野の収蔵資料を交換して展示を行った。

カトリック系の大学である南山大は、教員を務めた聖職者の収集による学術研究資料の所蔵が特徴で、パプアニューギニアで布教を行ったアウフェンアンガー神父と南山大の学術調査団収集による同国の民族誌資料を出展。一方、本学からは、東京ゆかりの歴史資料として江戸町奉行所の捕者関係資料を出展した。明大の捕者道具は旧刑事博物館が刑罰関係資料の関連で収集し始めたもの。1990年代後半に名和弓雄コレクションを譲り受け飛躍的に充実しており、明大博物館には希少な関係文献資料も収蔵されている。

企画展の会期中には、相互に教員・学芸員を派遣し、特別講義「民族誌資料をめぐるいくつかのトピックス」(南山大学人文学部・黒沢浩教授)、「祖先の暮ら しを知る—文化財としての古文書」(明治大学博物館・外山徹学芸員)、公開講座「南山大学人類学博物館のパプアニューギニア資料について」(同館・竹尾美 里学芸員)、「江戸時代の警察制度と治安取締」(外山学芸員)を開催した。

この交流事業は2015年度までの3カ年事業として継続予定。