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日本古代学研究所「世界に伝えたい飛鳥・藤原の魅力」講演会を共同で開催

天皇陵と考えられる八角形の古墳を次々に説明する大塚名誉教授

本学の研究クラスターの1つである日本古代学研究所(所長=吉村武彦文学部教授)と世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会は3月15日、駿河台キャンパスのアカデミーホールで、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都とその関連資料群」の世界遺産登録を目指す講演会「世界に伝えたい飛鳥・藤原の魅力」を開催。本学の大塚初重名誉教授、中国社会科学院考古研究所の王巍所長の記念講演、明日香村劇団「時空」による演劇、講演者ならびに吉村教授、東京学芸大学の木下正史名誉教授によるトークセッションを行い、会場に詰めかけた約800人とともに、日本という国が形づくられたとされる6世紀末から8世紀初めの飛鳥時代に思いを巡らせた。

記念講演で大塚名誉教授は、明日香村にある石舞台古墳や野口王墓古墳、牽牛子塚古墳などをとりあげながら「飛鳥には天皇陵と考えられる八角形の古墳が集中 している」と説明。群馬や茨城でも同じ形状の古墳が発見されていることに触れ、「飛鳥と東国は密接な関係にあった」と指摘した。

王所長は「飛鳥・藤原時代は、中国の隋唐王朝との交流を通じて、政治・経済・文化に本質的な変化が発生し、古墳時代中後期の初期王権国家から中央集権的律 令制国家への転換が実現された時代」と述べ、日本で最初の正北方位の宮殿、前朝後寝構造と方形の都城の造営、仏寺建造や、遣隋使、遣唐使の派遣などに触 れ、「日本の律令国家制度が形成された歴史と文化の証拠を豊富に残す飛鳥・藤原の遺跡群は、世界遺産にふさわしい」と結んだ。