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明大などの研究コンソーシアムが日本海の表層型メタンハイドレート掘削調査

下関を出港する表層型メタンハイドレート調査団 白嶺の船上設置型掘削装置「R140」

研究・知財戦略機構ガスハイドレート研究所を中心とした表層ハイドレート研究コンソーシアム(明治大学・秋田大学・信州大学・千葉大学・東京大学・大阪大学・九州大学および独立行政法人産業技術総合研究所)は6月24日、掘削装置(リグ)を搭載した海洋資源調査船「白嶺」を用いて、日本海上越沖および最上トラフにおける表層型メタンハイドレートの掘削調査を開始した。

本調査は、国のメタンハイドレート開発促進事業として平成25年度から実施されている「日本海の表層型メタンハイドレートの資源量把握のための調査」の一環として行われるもの。

本研究グループは10年来、日本海に分布する表層型メタンハイドレートの学術調査を進めており、今年度はすでに日本海の広い範囲で高精度・広域の地形地質調査を実施。今回の掘削調査は、これまでの学術調査と地形地質調査の成果を踏まえ、表層型メタンハイドレートを含有する地質サンプルの取得を目指している。

これまでの調査から、表層型メタンハイドレートは、ガスチムニーと呼ばれる海底下の構造とその上位に発達する直径数百メートル、高さ数メートル~数十メートルのマウンドに濃集していることが分かっているが、メタンハイドレートの分布下限深度と正確な含有量は明らかでない。

今回の掘削調査は7月10日まで行われ、複数のハイドレートマウンドを掘削することで深度方向の含有量分布を明らかにし、表層型メタンハイドレートの資源量評価に資することを目的としている。

メタンハイドレート

メタンガスと水分子がつくる氷状の固体物質。火を近づけると燃焼するため、「燃える氷」とも呼ばれ、発電や都市ガスに利用できる新たなエネルギー源として注目されている。表層型は、陸から近く浅い海の海底などに分布する。