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災害救援ボランティア講座 若い学生たちの力に大きな期待

澤野委員長(左)から認定書を授与。1万人目の「セーフティリーダー」後藤さん(政経3)

明治大学は6月7日・8日・14日の3日間、千代田区との防災協定に基づく「災害救援ボランティア講座(春学期)」を開催した。明大生を中心に、教職員や他大生ら約50人が参加し、上級救命技能講習や災害時の模擬体験、安全衛生、リーダシップなど、計21時間におよぶプログラムを受講した。

この講座は、NHK・総務省消防庁後援および千代田区支援事業として、本学では2003年度から実施されている。通常受講料1万3900円(一般)、9900円(学生)のところ、区の減免により2000円で受講できるのも人気の秘密だ。内容は、災害模擬体験・救命技能講習などの実技(12時間)と、消防実務、ボランティア有識者による講義と演習(9時間)で構成。全課程修了者には、災害救援ボランティア推進委員会から「セーフティリーダー認定証」、東京消防庁から「上級救命技能認定証」(3年間有効)が交付される。

セーフティリーダー1万人目は後藤さん(政経3)

災害救援ボランティア推進委員会から交付される「セーフティリーダー認定証」。今回の講座修了生の後藤健介さん(政経3)が、記念すべき1万人目のセーフティリーダーとして認定された。

講座終了時に、同推進委員会の澤野次郎委員長(日本法制学会理事長)から、「ボランティアは、誰もができることではないが、誰かがやらなければならない。皆さん一人ひとりの力が大切だ」との期待の言葉とともに、後藤さんへ認定証が手渡された。

災害救援ボランティア推進委員会

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、被災者の9割が近隣住民に救助されたという教訓をもとに、大規模災害を想定した「災害救援ボランティアリーダー(セーフティリーダー:SL)」の養成を目的として、同年7月に設立。ライフライン関係事業体を中心に、日本を代表する企業や、防災・ボランティア等の専門家によって組織されている。

“何となく知っている”は、“知らないこと”と同じこと

鈴木 夏乃(文4)

「なんとなく知っている」というのは、「知らない」ことと同じだと感じました。

例えば、技能講習で学んだ心肺蘇生のやり方や、AEDの操作方法など、どこかでなんとなく見たり聞いたりしたことはありました。しかし、素早い判断と行動が求められる状況では、なんとなくの知識で、あたふたしている時間はないのだと改めて思い知らされました。

このボランティア講座を終えて、「上級救命技能認定証」と「セーフティリーダー認定証」が授与され、これでやっと「正しく知っている」段階に入ったのだと感じました。

講師の方も、「この講座がキッカケになれば」とお話されていたように、ここから「行動できる」ようになるためにも、今回の経験を活かして、今後のボランティア活動に取り組んでいきたいと思います。

いざという時、海外から来た人の力になれたら

張 苑君(ちょう・えんくん、商4・中国)

正直なところ、資格が取れることに惹かれ、軽い気持ちで受講しました。しかし、実際の救命技能の実習などを通して、ここで学んだことは、単なる知識にとどまらず、人の命にかかわる責任重大なことだと感じました。また、防災対策などを学ぶことで、いつか災害が起きても、慌てずに対応できそうだと少し自信をつけました。

特に、留学生の私にとって、もともと母国でそういう知識を学ぶチャンスがなかったので、地震多発国の日本で生活するなら、必要な技能だと思いました。いざという時、同じく海外から来た人々の力になれたらと思うと、大きなやりがいを感じました。

災害への危機意識を思い出した3日間

石山 杏(商4)

東日本大震災の発生から3年以上が経過し、災害への危機意識が少しずつ薄らいでいた状態でしたが、3日間の講座を受講して、災害の恐ろしさを改めて実感しました。

自分自身の防災意識や、身の回りの対策を見直すいい機会になりました。いざという時にしっかり行動出来るよう、今回の講座で得た知識や経験を持ち続けていきたいです。