本棚『世界俳句2014 第10号』夏石 番矢・世界俳句協会 編 (七月堂、1600円+税)



世界40カ国(30言語)188人の投句550余句。まさに五大陸のWorld Haikuが母国語(英語併記)と日本語(あるいは邦訳)で編まれている。更に、映像と三行詩のHaiga Gallery、俳論がある。定型・季語ばかりか、言語の桎梏を突破しようとする無限域の表象の満艦飾である。

「いかなる言語においても…、俳句創作の可能性を追求する」(p.81)。ならば、俳句がhaikuとなって、福島がフクシマともなろう。またこれは、奇しくも、明治大学グローバル30がめざした目途に合致する。

思い出すことがある。1996年の夏、小池文子氏(石田波郷に師事。1957年よりパリ在住)の主宰する巴里俳句会を取材した。番矢さんは在外研究でパリに住んでいて、この句会に出ておられた。ハイビスカスは和名「仏桑花」で夏の季語だが、ピラカンサは季語にない。ススキは季語にあっても、日本で見るような風情はない。有季か無季か。小池主宰は季語が詠み込まれてこそ俳句であると説いた。番矢さんは有季に拘る必要はないと主張した。

あれから二昔が経った。番矢さんは随分遠くに来たものだ!

玉井崇夫・文学部教授(著者は法学部教授)

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