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情報コミュニケーション学部創設10周年 ジェンダーセンター特別講演会を開催

近代社会の再封建化に警鐘を鳴らすネッケル教授 盛況となった7月21日の特別講演会

情報コミュニケーション学部創設10周年記念行事として、同学部ジェンダーセンターは7月18日、「近代社会の再封建化:社会構造・ジェンダー・経済」と題する特別講演会を駿河台キャンパス・グローバルホールで開催。ゲーテ大学フランクフルト・アム・マイン社会学研究科のジークハルト・ネッケル教授が講演した。

石川幹人学部長、細野はるみジェンダーセンター長のあいさつに続いて講演したネッケル教授は「現代資本主義は、もうとっくに過去のことと思われていた封建的な諸構造や身分制的特権、さらには上級貴族階層の時代へと現代社会を引き戻そうとしている」と主張。その理由として、「グローバルな経済エリートは彼らの私的な経済的利害によって、国家のような政治的共同体のさまざまな制度に影響力を及ぼしている」ことなどを挙げた。

その上で、「資本主義と市民性の歴史的結びつきは21世紀において終結し、むしろ対立するものとなった。これにより非市民的な現代資本主義が成立し、グローバルな勝利の道を進み始めた」と、主に経済の側面から、近代社会の再封建化に警鐘を鳴らした。

講演後の質疑応答では、会場から多数の質問や反論も寄せられ、ネッケル教授は持論を交えながら一つひとつ丁寧に回答。講演会は盛況のうちに終了した。

ジェンダーセンターは7月21日にも、「ジェンダーの脱植民地化を目指して 世界規模で考える男性性、女性性、ジェンダー関係」と題する特別講演会を駿河台キャンパス・リバティホールで開催。オーストラリアを代表する社会学者・ジェンダー研究者であるシドニー大学のレイウィン・コンネル教授が講演を行った。