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ELM(法・医・倫理の資料館)が仮開館

駿河台に仮開館したELM

医事法学・生命倫理学・その周辺領域の資料を専門に扱う資料館「ELM(エルム)」(館長:間宮勇法学部長)が7月28日、駿河台キャンパス・研究棟地下1階に仮開館した。2010年度以来、法学部が開館に向けて本格的に準備を進めていた。

ELMの名称は、Ethics(倫理学)、Law(法学)、Medicine(医学)のイニシャルに由来し、その補足名称は「法・医・倫理の資料館」。今日の医事法学の創始者であり、インフォームド・コンセントを日本で最初に紹介した人物でもある故・唄孝一教授が生前に収集した膨大な資料群である「エルムの森」と、公衆衛生学の大家であった故・西三郎教授から寄贈された数多くの貴重資料が、その中核となっている。

2014年9月現在の登録済収蔵資料数は、図書系資料・文書系資料を合わせ約6万9000件。今後は先の唄ライブラリー・西ライブラリーを核としつつ、国内外の新旧さまざまな資料を追加していくことにより内容をさらに充実させ、資料提供等を通じて、学術全体の進展や、国民の健康的にして文化的な生活の実現に寄与することを目指す。

特色は主に2点。通常、図書系資料は図書館で、文書系資料は文書館で収蔵されるが、ELMではその両方を収蔵し図書館・文書館の両方の役割を兼ね備えている。2点目は、収蔵資料が研究用と学習用の2つの資料群に分けられ、前者は研究者や医療専門職者、その他医療に関わりのある団体などの利用を、後者は学部学生や大学院生はもとより、患者本人とその家族の利用を想定していることにある。

今後の展開として、数年以内にユーザーフレンドリーな検索システムの構築を予定しており、更なる利便性の向上が図られる。また、利用しやすい環境づくりのために、利用者各人のカルテ作成や、利用者への積極的な働きかけなどを通じて、利用者のニーズに応じたきめ細かなサービスを提供していく予定である。それ以外にも、専門家を対象としたシンポジウム、一般の方を対象とした患者教育セミナーなどを通じて、医療をめぐる法的・倫理的問題に関する情報提供を行っていくとともに、国内外の関係各大学・団体・学会などとの事業連携、そして、その前提として明治大学各セクションとの連携強化も同時に進めていく方針だ。

2025年以降は4人に1人が75歳以上という超高齢化社会を迎えることになる。そこでは、さまざまな場面で法と医と倫理の問題に直面することになる。本学のELMがそれらの問題に遭遇した人たちにとって、解決する場・考える場の拠点となることを期待したい。


仮開館の今年度は、月・水・金曜日が開館日。2015年度に本開館した後は月~土曜日を開館日とする。今後の情報についてはホームページを参照。

お問い合わせ先

ELMホームページ

http://www.meiji.ac.jp/hogaku/elm/