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豊富な観光資源を“物語”で発信 市川ゼミ(政経)が伊勢原市長へ政策提言

政策提言を終え、満足げな笑顔の学生たち

政治経済学部・市川宏雄ゼミはこのほど、神奈川県伊勢原市の魅力を伝える観光まちづくり計画をストーリー形式でまとめた「伊勢原物語」を作成し、10月24日に髙山松太郎市長へ政策提言を行った。

これは、横浜、鎌倉、箱根に続く神奈川県第4の国際観光地として伊勢原市の振興に取り組むNPO法人「伊勢原市の未来を創る会」と、都市政策が専門の市川教授との縁で実現したもの。髙山市長は「改革に若者の力は必要。伊勢原の魅力をどう世界に発信したらよいかご教示いただきたい」と政策提言を歓迎した。

学生(3年10人、4年2人)は7月からの4カ月間、のべ10回以上伊勢原市を訪れ、「大山」に代表される名所の観光客数など統計データの分析や、さらなる魅力を発掘するための観光資源の洗い出しなどを精力的に行った。

こうして完成した「伊勢原物語」は、若者や家族連れなどをターゲットに5つのストーリーで構成。古くから神仏の宿る霊山として厚い信仰を集めてきた大山をパワースポットとしてとらえた“水龍物語”や“縁結び物語”では、神社を参拝しながらの登山で運気を高める工夫などを提案した。

また、源頼朝がかつて必勝祈願のため太刀を大山に納めたことをルーツとした“必勝祈願物語”では、大山寺での護摩焚祈祷により受験勉強やスポーツ、仕事での勝負運を高めることを提案。女性の登山人気や美容への関心の高さに着目した“Oh!山レディ物語”では、軽登山によるダイエット効果と名産の豆腐料理や豆腐パックを組み合わせた美容体験プランを発表した。

さらに、“家族団欒物語”では、伊勢原の自然を生かしたキャンプやアウトドア体験が盛り込まれたお出かけプランなど、幅広い観光客を取り込めるようなアイディアをまとめた。

最後に、これらの“物語”を効率的に発信する手段として、「人々は常に物語を欲しており、自ら体験することでそれを発信しようとする」という知見から、SNSを利用した口コミ効果による拡散や、電車内広告とインターネットのまとめサイトを相互活用した情報発信方法を提示した。

発表を終えた学生は「自分たちが創り上げたプランが採用されて、伊勢原市を訪れる人が増えたらうれしい」と話し、計画の実現と伊勢原市振興への寄与を願っていた。