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人文科学研究所公開文化講座「シェイクスピア生誕450年記念祭」を開催

青木氏(左)と井上准教授との対談 シェイクスピアの劇中歌などが演奏された

人文科学研究所は、10月17日、25日に第38回・39回公開文化講座を駿河台キャンパスで開催。今年は「シェイクスピア生誕450年記念祭」と銘打ち、レクチャー&コンサートと講演会を連続開催した。

「シェイクスピアと音楽—レクチャー&コンサート」と題した1回目(第38回講座)は、リバティアカデミーとの共催。シェイクスピアの劇中歌や同時代の音楽が古楽器などで演奏され、井上優准教授(文学部)が解説を担当した。

中島万紀子氏ほか有志による歌や、リュート奏者の田村仁良氏とヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の田中孝子氏による楽器の解説とソロ演奏などが、プログラムに花を添えた。シェイクスピアの劇中歌の演奏機会は少ないため、受講者からは「貴重な機会に参加できた」との声が寄せられた。

2回目(第39回講座)は「シェイクスピアと日本」と題し、シェイクスピアの演劇が明治期から現在まで、日本でどのように受容されてきたのかを、4人の講師の講演とインタビューから解き明かした。

第1部では神山彰教授(文学部)が、明治時代のシェイクスピア受容について、翻案とその背景にある当時の独自の演劇観や身体感覚という角度から解説。続いて福田逸教授(商学部)が、シェイクスピア翻訳の第一人者である福田恆存の功績を、子息ならではの秘話を交えて解説した。

第2部では、野田学教授(文学部)が、蜷川幸雄氏のシェイクスピア劇を、蜷川氏の演出哲学の中に位置づけて分析。最後に青木豪氏(演出家・脚本家/文学部兼任講師)が、多くの演劇を作・演出してきた現場の視点から、シェイクスピアの魅力を語った。

レクチャー&コンサートは後日、「iTunes U」で配信予定。また講演会は、2015年3月に「講演録」として刊行予定となっている。人文科学研究所では、今後も新たな研究成果を発信する講座を企画していく。