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法科大学院 開設10周年記念シンポジウムを開催

実行委員長の中山教授 関係者や修了生らが多数参加したシンポジウム

法科大学院は11月22日、「法科大学院10年の歩みと未来への展望」と題する開設10周年記念シンポジウムを、駿河台キャンパス・リバティタワーにて開催した。

10周年記念行事実行委員長の中山幸二教授の司会のもと、シンポジウムは2部構成で進行。第1部では、元最高裁判所長官の島田仁郎特別招聘教授と、村上一博教授(法学部)がそれぞれ10周年記念講演を行った。

「日本社会における司法の役割」をテーマに講演した島田特別招聘教授は冒頭、「司法は必ずしも国民の期待に応えているとは言えない」と問題提起。その上で、「法科大学院は、今後ますます増えるだろう国民の(司法への)期待とニーズに応える必要がある」とし、法科大学院の果たすべき役割や使命の大きさを強調した。

さらに、裁判官・検察官・弁護士・学者の「法曹四者」がそれぞれ担う役割を説きつつ、「どんなにいい制度があっても、それを支える人がいなければ制度は生きない。法科大学院は設立時の理念を忘れず、法曹の育成にあたってもらいたい」と締めくくった。

続いて、「明治法律学校が法曹養成に果たした歴史的役割」をテーマに講演した村上教授は、明治大学の前身である「明治法律学校」の沿革や、創立者3人の功績などを紹介。布施辰治に代表される社会派・人権派弁護士や、台湾・中国・韓国など東アジア各国の法曹の多くが同校出身であることにも触れ、「多数の法律学校が創られた中で、明治法律学校は他の追随を許さない有為な人材を多数輩出してきた」と語った。

第2部では、「専門法曹養成の展望」をテーマに、法科大学院専門法曹養成研究教育センターの4センター長(医事法/鈴木利廣教授、環境法/柳憲一郎教授、ジェンダー法/辻村みよ子教授、知的財産法/熊谷健一教授)がそれぞれ講演。さらに、高倉成男教授や角田由紀子元教授、修了生らも交えてのパネルディスカッションや、「法科大学院10年の歩みと我々の目指すもの」と題する河内隆史法科大学院長の総括が行われ、シンポジウムは盛会のうちに幕を閉じた。