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博物館・商学研究科 備前焼関係者を招き公開特別講義

教室がぎっしり埋まった公開特別講義

明治大学博物館と大学院商学研究科の共催、商学部の後援により11月14日、商学研究科「商品学特論B」と商学部「市場調査論B」「商品学B」の拡大版として、他学部・研究科の学生や一般社会人にも門戸を開いた公開特別講義が開催された。

博物館の商品部門では、前身の商学部商品陳列館の時代から伝統的工芸品産業に注目し、産地研究と資料収集を行い、展示会や講演会等を開催してきた。今回は備前焼(岡山県)の産地から中堅・若手作家のリーダーとして活躍中の山本竜一氏を講師に招き、「備前焼の次世代構想—市場動向の変容と新たな商品開発—」をテーマに、基調報告とパネルディスカッションを行った。

備前焼は釉薬を用いずに焼き締めるざっくりとした土味が特徴で、古代の須恵器窯以来の歴史があり、安土桃山時代からは茶華道具としての伝統を持つ。5人の人間国宝を輩出した日本を代表する産地においても、近年の社会・経済情勢の変容の下、従来のファン層以外の新たな市場開拓が喫緊の課題となっている。

講義では、産地組合の中に市場開拓特別委員会(委員長:山本竜一氏)を組織し、一流の工業デザイナーと提携した商品開発による、インテリア・家具業界をターゲットとする販路拡大戦略を採っていることなどが報告された。また、新たなデザインの導入と伝統的な持ち味の継承をどう折り合わせるかなど、在学生の代表者も登壇して活発な討論が行われた。