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私たちは、人生のさまざまな問題に直面しているとき、誰かに話を聞いてほしくなります。けれども、ほんとうに悩み苦しむ人の傍らにいてその方の話をお聴きするのは、カウンセリングを生業とする人間にとっても、そう簡単なことではありません。

では、どんな姿勢で聴くことが重要なのでしょうか。

一つは、「余計なことを言わない」ことです。相手の話を聴くときに重要なのは、「何を言うか」以上に、「何を言わないか」です。

また一つは、「解決しようとするな。わかろうとせよ」です。悩みを聞くと、私たちはつい、「それは、こうすればいいんじゃない」「それは、こういうことだよ」と、すぐにアドバイスをしたくなります。言うほうは善意でそうしているのですが、言われたほうは、かえってつらくなることがあります。

「わかってもらえる」ことで、人ははじめて、自分の気持ちに素直に向かい合うことができるようになります。人は、誰かに「わかってもらえる」ことで、はじめて自分自身になれる。自分のこころの声に耳を傾けて、自分らしい生き方をし始めることができるようになるのです。