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「日米学生会議」に明大生が参加

日米の学生が共同生活をしながら、世界のさまざまな問題について活発な議論を交わす「第66回日米学生会議」が昨夏、米国で開催された。明治大学から参加した鈴木良祐さん(商4)の体験記を紹介する。

「価値観の相違を乗り越えて」鈴木 良祐(商学部4年)

Google本社でのワークショップ(中央が鈴木さん) 苦楽を共にした「芸術とアイデンティティ」分科会メンバーと(右から3番目が鈴木さん)

私は昨年夏、日米約70人の学生が議論を重ねる日米学生会議に参加しました。

デモイン(アイオワ州)、サンフランシスコ(カリフォルニア州)、ニューヨーク(ニューヨーク州)、ワシントンD.C.の米国4都市を約3週間かけて訪れ、ホームステイやGoogle本社訪問、アメリカ原住民とのふれあい、最先端遺伝子組み換え技術に関するパネルディスカッションなどを通して、多くを学んだ夏となりました。

日米学生会議の魅力はその「参加者の多様性」と「率直な議論」にあると思います。日米から集まる参加者は、勉強していること、生まれ育った環境、学年も人種もバラバラで、価値観の相違がストレスを生み、衝突に発展することもしばしばあります。所属していた「芸術とアイデンティティ」分科会の議論では、日本側参加者がメンバー全員の合意形成を重視していたのに対し、米国側参加者は多数決を用いて議論をどんどん進めようとしました。

少数派の意見を無視すべきでないと主張する日本側と、それでは効率が悪いと主張する米国側。はじめは違いを受け入れられず苦悩しましたが、相手がなぜそのように考えるのか「率直に」話し合うことで表面上の付き合いでは見えない、お互いの奥深くに潜む考え方を共有することができました。率直な議論により価値観を共有するからこそ、深い友情を築くことができたのです。

日米学生会議で得た知識や経験、友情を生かして、今後も続く日米関係に貢献し、国際社会で活躍できるように精進して参ります。

今年8月に日本で開催される第67回日米学生会議では、終戦70周年という節目の年に、広島、島根、京都、東京の4カ所を訪れ、7つの分科会に分かれて議論を重ねます。実行委員の一人として、多くの明大生のご応募をお待ちしております。一緒に“Life Changing Experience(人生が変わるような体験)”をしましょう。応募締め切りは2月23日です。

日米学生会議(Japan-America Student Conference-JASC)

日本初の国際的な学生交流団体。米国の対日感情の改善や、日米相互の信頼回復を目指し、「世界の平和は太平洋にあり、太平洋の平和は日米間の平和にある。その一翼を学生も担うべきである」という理念の下、1934年に発足した。

日本と米国から参加した同数の学生が約1カ月にわたり共同生活を送りながらさまざまな議論や活動を行い、両国の参加者間の相互理解を深めていく。主な過去の参加者には、宮沢喜一元首相やヘンリー・キッシンジャー元国務長官らがいる。