Go Forward

「個を強くする大学」とは、我が母校の建学の理念である「権利自由・独立自治」を現代風に言いかえたスローガンである。

これはどういう意味かと学生に聞かれたことがある。そのときはうまく答えられなかったが、次はこう答えようと思う。

自分がやりたいと思うものを見つけ、それを自分が納得するまでとことん勉強しなさい。でも、それだけでは「個」が独りよがりになってしまう。外国に行くと日本のことが改めて見えてくるように、自分自身だけに関心を向けるのでなく、自分の周囲、そして日本社会や世界のことまで理解して自分の置かれている状況を知らなければ、本当にやりたいと思うものは発見できない。

つまり自分のアイデンティティを確立することが必要ということだ。それでこそ、自分の個性を社会で必要とされる輝くものにできるのではないか。

このように考えてから「個を強くする」という言葉が、より好ましく思えてきた。

しかしちょっと待てよ。これは学生だけに言い聞かせるのでなく、グローバル化が叫ばれる今の日本社会や我々自身にもあてはまるのではないか。