Go Forward

6月20日「世界難民の日」を考える 和泉キャンパスで企画展・上映会を開催

ドキュメンタリーの上映会 最低限の水が命を繋ぐ 活動報告を行う野之上さん、鈴木さん(左から)

6月20日の「世界難民の日」に合わせて、明治大学は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所の協力を得て6月8日~22日、和泉キャンパス図書館で企画展を、また6月18日には関連イベントとして、関連ドキュメンタリーの上映会を行った。

企画展では、難民問題に関するUNHCRの国際社会での取り組みや、難民キャンプの設営、援助物資の支給までの流れなどをパネルや写真を使って紹介。難民となった人々が実際に使うアルミ製の調理器具や、給水容器、毛布なども展示した。

さらに、明大の学生ボランティアが古着を集めて、ユニクロを通じて難民キャンプに送る「全商品リサイクル活動」や、明大の学食で難民の故郷の味を伝える活動「Meal for Refugees(M4R)」に関する展示も行われた。

和泉図書館ホールで行われた上映会では、フィリピン南部の内戦により家を追われた人々の末裔が、マレーシアのサバ州で無国籍状態になっている現状を取材したドキュメンタリー「無国籍を生きる」(2014年・マレーシア/50分)を上映。学生ら約60人が集まり、今ある問題に目を向けていた。

上映の前後には、コーディネーターの鳥居高商学部教授が内容解説を行い、作品の背景や映像のポイントを明確にした。参加した学生からは「思った以上に過酷な生活で衝撃を受けた。特に難民の子どもの窮状にはいたたまれない気持ちになった」、「衣食住に困る生活をしたことがないので、実感がわかないところもあった。もっと難民の人々のことを知りたいと思う」などのコメントが寄せられた。

上映後には、「Meal for Refugees(M4R)」の野之上義紀さん(経営2)、鈴木亜南さん(文3)が登壇し、活動報告。鈴木さんは「エスニックを学食で食べられるのは珍しく、一食につき20円分が寄付できるので、食を通じて難民問題のことを少しでも理解してもらえれば」と語った。

本学とUNHCR駐日事務所は2010年7月、難民を対象とする特別入学試験制度「難民高等教育プログラム」に関する協定を締結。2011年度から毎年2人ずつを受け入れている。2012年からは、同事務所が主催する難民映画祭(第7回~第9回)にも協力している。