本棚「東洋のオルトラン 宮城浩蔵論文選集」村上 一博 編(明治大学出版会、6,500円+税)



宮城浩蔵は、いうまでもなく明治大学の創立者三人のうちの一人である。他に岸本辰雄と矢代操がいることは、各キャンパスに三名のレリーフが置かれていることからも、周知のこととなりつつある。それでも福沢諭吉や大隈重信などと比べると、「地上の星」に近い。

その理由の一つに、それぞれの故郷を出てからの三名の業績が十分には解明されてこなかったということがある。たとえば、宮城についてみれば、『刑法講義』や『刑法正義』というような代表的著作については言及されることはあった。しかし、フランス留学後の法制官僚としての事績、あるいは第一回衆議院議員に当選したあとの政治家としての活動、あるいは代言人としての弁護活動など、いわば学外での活動については、これまで体系的な研究がなされていないのである。

村上教授は、七年前に『岸本辰雄論文選集』を刊行し、先鞭をつけられた。残るは矢代操ということになるが、全国の新聞、法律雑誌を中心とした資料の収集は、余人では真似のできない輝かしい業績である。

山泉進・法学部教授(編者も法学部教授)

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