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大学史資料センター 鳥取市で「創立者講演会」を初開催

村上教授による講演の模様

明治大学史資料センターは9月12日、鳥取敬愛高校(鳥取市)において、「明治大学創立者講演会」を初開催した。資料センターでは本年3月に『私学の誕生—明治大学の三人の創立者—』を創英社・三省堂書店から出版したが、それをきっかけにして、3人の創立者の生誕の地である鳥取市、山形県天童市、福井県鯖江市において、中高生を対象にした創立者講演会の開催を検討してきた。その最初の講演会が、鳥取市において実現したことになる。

鳥取敬愛高校の歴史は古く、創立は明治38(1905)年、古田貞によって設立された鳥取裁縫女学校にまでさかのぼる。校舎は藩校・尚徳館跡に建立されている岸本辰雄先生顕彰碑が道路越しに見える中心地にあり、校長は本学校友の小山富見男氏。他にも何人かの本学出身の教員が、教鞭をとっている。

講演会が開催された9月12日は「とっとり県民の日」であり、この日は明治14(1881)年に鳥取県が島根県から分離して再置された日とのことで、たまたま明治法律学校の創立年にもあたっている。

講演会では300人を超える全校生徒を前に、『私学の誕生』の執筆者3人が講演。山泉が総論的なあいさつを行い、続いて野尻泰弘文学部講師が矢代操について、村上一博法学部教授が岸本辰雄についての講演を行った。

とりわけ、村上教授は、下級武士であった岸本が鳥取藩の中でどのようにして頭角を現していったのか、フランス留学中に何を学んだのか、明治法律学校の創立と法学者としての評価などに言及し、翌日の地元紙・日本海新聞においても講演内容が紹介されたほど関心を呼ぶものであった。

なお、来年11月12・13日に、明治大学全国校友大会が鳥取市で開催される予定で、本講演会にも多くの校友会メンバーが参加した。また、その後に催された懇親会では、三保文嗣・校友会鳥取県支部長、石谷勇雄・大会実行委員長らから、大会に向けての意気込みを伺うことができた。

明治大学史資料センター所長 山泉 進(法学部教授)