自身が務め上げた特捜検事という仕事を振り返り、「大物政治家であっても、裏側には必ず戸惑いや悩みがある。そこに膝を付け合せていくこと、人格と人格の 対峙こそが人を扱う検事の仕事としての深み」と述べた。また「様々な事件の根底には、当事者意識とその仕事への愛(プロ意識)の欠如がある。政治と経済に は大いに取り組んでもらいたいが、後ろにたまっていく泥をきれいにしてもらいたい」と語った。
熊﨑氏は時折ユーモアも交えながら、第一線で重責を担った長年の経験を振り返り、講演は盛況のうちに終了した。
熊﨑 勝彦
明治大学法学部卒業。司法試験に合格し、1972年検事任官。1996年東京地検特捜部長に就任し、その後も最高検公安部長等の要職を経て2004年退官。2013年春、瑞宝重光章受章。現在は弁護士、一般社団法人日本野球機構会長、日本プロ野球組織コミッショナー。