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博物館、商学研究科 備前焼の新たな価値創造をテーマに公開特別講義

各学部・研究科の学生や社会人に門戸を開いた特別講義

明治大学博物館と大学院商学研究科の共催、商学部の後援による公開特別講義「備前焼の新たな価値創造—そのローカル・アイデンティティを活かす—」が11月27日、駿河台キャンパス・リバティホールで開催された。

博物館の商品部門は、旧商品陳列館の時代から伝統的工芸品産業に注目。現在、商学部教員と共同で産地研究を行い、その成果報告会として特別講義を開催している。

備前焼(岡山県)はガラス被膜となる釉薬を用いずに焼き締める“侘び”“寂び”が持ち味の、我が国を代表する焼き物の一つ。5人の人間国宝を輩出するなど、産地では作家活動が盛んである。備前焼を取り上げる3年目は、作家によるマーケティング活動に着目。都内のギャラリーでも積極的に個展を開催している中堅作家・澁田寿昭氏を講師に招き、基調報告とパネルディスカッションが行われた。

備前焼は、使用する地元産陶土の特性と、「薪窯焼成」という古式の製造方法によって、他の産地とは異なるローカル・アイデンティティを形成している。そのため、規格化・標準化による量産方式の導入という手段を採り得ず、高級品として作家の個性を反映した美術的付加価値を重視するマーケティングが必要となる。

特別講義では、一般的なマス製品とは異なる価格設定、商品開発、ブランディングなどの視点から伝統的工芸品の特性を明らかにするなど、活発な討論が行われた。
(博物館事務室)