本棚「地方議会人の挑戦——議会改革の実績と課題」中邨 章 著(ぎょうせい、2,400円+税)



「号泣県議」をはじめとして地方議員のイメージはよくない。しかし、本書を読むと、実は「地方議会人」は少ない議員報酬と脆弱な補佐態勢の中で奮闘していることがよくわかる。自ら議員定数を減らす一方、議会改革の目玉として議会基本条例を制定した議会も多い。「もっと評価すべきだ」と著者はいう。

首長と地方議会の力関係は首長が圧倒的に強い。二元代表制の実態は「一と四分の一制」である。予算編成権や執行部の人事権は首長が握る。議会審議は首長主導で進む。予算は、議会審議前に首長と議会各会派の間で下交渉が済んでいる。議会が不活発なのは、議会人の資質以前に制度の問題なのだ。

そこで著者は大胆な提案をする。地方議会を立法府ではなく行政監視府に位置づけ直せと。議会図書館が倉庫代わりの有様では、議会の立法機能は期待できない。行政の透明性を高めその説明責任を明確にする目付役に、議会は徹するのである。

他にも具体的な「挑戦」案が次々に示される。著者の長年の経験知がそれらに説得力を与えている。

西川伸一・政治経済学部教授(著者は名誉教授)

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