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リバティアカデミー オープン講座「CMソングは時代とともに」を中野で開催

CMソングの歴史や楽しさを語る高橋氏 ピアノ演奏も交え懐かしのCMソングを紹介

明治大学の生涯学習機関・リバティアカデミーは4月23日、「『CMソングは時代とともに』コマーシャルソングの作り方—CM作曲家の仕事—」と題するオープン講座(後援:中野区)を、中野キャンパス・5階ホールで開催。高校生からシニア世代まで幅広い年齢層の受講生約200人が詰めかけた。

テレビの普及とともに、CMソングが登場して60年—。時代の様相が反映されるCMソングの歴史と音楽の楽しさを解説する本講座は、講師に作曲家の高橋千佳子氏(東京芸術大学等講師)を招き、コーディネータを伊藤真弓法学部准教授が務めた。

CM音楽の制作に35年間携わってきた高橋氏は、キッコーマン「ぽん酢しょうゆ」や、サントリー「山崎」「白州」など、数々のCM音楽を手掛け、受賞作品も多数。講座では、その作品映像を振り返りながら、時代背景や制作過程などが紹介された。

企業にとって重大な役割を担うCMは、「社運を賭けた商品の重要な要素」。事前に与えられたテーマに沿って曲を制作することはもちろん、映像や現場のシチュエーションに合わせて即興で演奏するなど、さまざまなリクエストに対応するための高度な技術が求められる。

明石家さんまさんの歌う“しあわせってなんだっけ~♪”のフレーズでヒットしたキッコーマン「ぽん酢しょうゆ」のCM制作の話では、「すでに決定していた歌詞に合うような曲調を数パターン作り、あの曲調が採用された」と裏側を明かし、「CMがヒットしたのは、私のメロディーではなく、さんまさんの味わいのある歌い方のおかげ」と当時を振り返った。

また、昭和28(1953)年8月28日に日本で初めて放映された精工舎(現:セイコーホールディングス)のテレビCMにまで歴史をさかのぼり、「ラジオからテレビへ派生してきたコマーシャルは、企業名や商品名を連呼するものが多かった」と解説。

さらにCMソング作曲家の元祖とされる三木鶏郎氏が手掛けた第一三共“くしゃみ3回ルル3錠~♪”や、文明堂“カステラ一番~♪”など数々の作品が高橋氏のピアノ演奏に沿って紹介され、受講生たちも懐かしむように、一緒になって口ずさんでいた。