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東大寺学園、灘高生らに先端数理の魅力を伝える

第二部の講師を務めた砂田教授 東大寺学園、灘高の生徒約50人が参加

明治大学は7月25日、東大寺学園中・高等学校(奈良県)、灘中学校・高等学校(兵庫県)の生徒を対象に、高大連携特別講座「Math Everywhere 数学の新しい広がりに向けて」を大阪市のハービスホールで開催した。

同講座は、明治大学での学びや研究内容を各地域の高校生に向けて、広く伝えることを目的としたもの。講師は、先端数理科学インスティテュート(MIMS)副所長として「生物と数理の融合研究プロジェクト」を推進し、文部科学省共同利用・共同研究拠点「現象数理学研究拠点」リーダーも務める三村昌泰特任教授(研究・知財戦略機構)と、同じくMIMS副所長で、総合数理学部長の砂田利一教授が務め、会場に集まった数学に関心を寄せる熱心な生徒ら約50人を、先端数理科学の世界にいざなった。

第一部では、三村特任教授が「安定性理論 ゆらぎは秩序を形成する」と題し講演。交通渋滞や砂漠化の進行、動物のしま模様の研究などさまざまな分野において数式で解明できることなど、先端数理科学の魅力を紹介した。休憩をはさみ行われた第二部は、砂田教授が担当。日本で初めて数学を基盤に誕生した総合数理学部の話題に触れながら、「最小原理 世界を司る根本原理」をテーマに講演し、惑星の軌道からダイヤモンドの結晶まで多岐にわたる現象が数学的に理解できることを示した。また、難解な演習問題に挑戦させるなど、知的好奇心を刺激する内容で進行し、参加者たちは試行錯誤を重ね、悩みながらも楽しんで問題に取り組んだ。

終了後、参加した生徒たちは、「自然科学に数学が大きく関わっていることを知り、常識が覆された」「渋滞や人間の体など身近なことが数学でモデリングできる面白さを感じた」と語り、数学の魅力やさらなる可能性を実感していた。