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「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~」——小中高校生が先端研究に触れる

石で砕いて磨いて試行錯誤の貝輪づくり

大学や研究機関で取り組む科学研究費助成事業(科研費)の成果を小中高生に体験してもらうプログラム「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」が8月、駿河台・和泉・生田キャンパスで開催された。

同プログラムは、日本学術振興会の委託を受けた全国の大学や研究機関が毎年実施しているもの。明治大学では今回、(1)日本人が育んだ発酵微生物~麹菌と乳酸菌(中島春紫農学部教授)、(2)地震の揺れから身を守る~振動を科学してみよう!~(松岡太一理工学部准教授)、(3)なぜ幽霊を見る人がいるの?ニセ科学の見分け方を学ぶ(石川幹人情報コミュニケーション学部教授)、(4)作って学ぶ考古学の世界~縄文時代貝製腕輪の製作と着装方法の復元~(阿部芳郎文学部教授)の4プログラムを実施した。
8月20日、駿河台キャンパスで行われた「作って学ぶ考古学の世界~縄文時代貝製腕輪の製作と着装方法の復元~」のプログラムには、小中学生約12人が参加。縄文時代の人々の生活史について研究する阿部教授は、約3500年前の遺跡から出土されたさまざまな遺物を紹介しながら、自然環境の変化に応じて暮らしを変化させてきた古代人の知恵と社会の特性についてわかりやすく解説。

続いて、当時の女性たちが装着していたとされる貝殻の腕輪作りでは、ベンケイガイと呼ばれる拳大の貝殻を石で研磨していく作業を体験。画一的な仕上がりの貝輪を目標に、失敗を繰り返し、試行錯誤しながらも完成させた。参加者たちは、先人たちが残した技術の高さや装飾品を身に付けた背景を知ることによって、歴史に対する興味をさらに深めた様子だった。