本棚「石鹸・洗剤産業」佐々木 聡 著(日本経営史研究所2,200円+税)



経営学博士・佐々木聡先生が『石鹸・洗剤産業』を日本経営史研究所から上梓された。同研究所は、研究者の手による産業経営史のハンドブック「産業経営史シリーズ」(全20巻予定)を刊行してきているが、本書はその第10巻となっている。要の巻と言えよう。日本の近代産業は、海外からの技術導入によってスタートし、現在に至るまで生産・販売・情報等の技術面や企業経営面でのノウハウなどさまざまな変化を辿ってきているが、石鹸・洗剤産業についてその道程を明らかにしているのが本書である。石鹸・洗剤の起源と産業化、日本におけるその製造と産業生成、油脂関連産業の生成、戦時体制、第二次世界大戦から高度経済成長期、石油危機、バブル期とその崩壊後、グローバリゼーションの進展という時間の流れに沿い記述され、自然科学知識を程良く含む、著者の幅広く、奥深い知識の総合性を改めて感じさせる書である。それとともに、京都舎密局など明治の化学者の抗争と苦渋にも想像が広がる経営史の好著である。

藤江 昌嗣・経営学部教授(著者も経営学部教授)

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