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私立大学研究ブランディング事業「数理科学する明治大学」の取り組みが選定

文部科学省の平成28年度「私立大学研究ブランディング事業(タイプB)」に、本学から申請していた事業「Math Everywhere:数理科学する明治大学—モデリングによる現象の解明—」がこのほど選定された。

本事業は、全学的な独自色を大きく打ち出す研究に取り組む私立大学などを文部科学省が選定し、経常費・設備費・施設費を一体として重点的に支援するもの。18歳人口の急激な減少や地域社会の衰退への懸念が高まる中、私立大学が持つ強みや独自性をより一層強化し、多様性を発揮させることで、グローバル社会における我が国の高等教育の基盤を持続的に高めることが狙い。全国198校から申請があり、「タイプA(社会展開型)」に17校、「タイプB(世界展開型)」に本学を含む23校が選定された。

本学の事業名は「Math Everywhere:数理科学する明治大学—モデリングによる現象の解明—」。現代社会に現れる複雑性に起因する難問題の解決手段として、モデリング(数理モデル構築)による現象解明の重要性はますます高まっている。本学ではこのような状況をいち早く認識し、モデリングによる解明をミッションとする現象数理学を、先端数理科学インスティテュート(MIMS)のもとで展開してきた。本事業においてMIMSは、学長のリーダーシップの下、社会に現れる複雑現象に関連する緊急課題の解明に挑戦する。

本事業を通じて、「(1) 生物、社会システムの形成と破綻現象のモデルからの解明」「(2) 錯覚現象の解明と利用へのモデルからの接近」「(3) 金融危機の解明に対するモデルからの挑戦」「(4) 産業イノベーションをもたらす折り紙工法の幾何学モデルからの貢献」「(5) 機械学習に基づく感性モデルによる快適介護空間の構築」の5つを研究課題と定め、研究に取り組む。

モデルは現象の世界と数理の世界の架け橋である

Math Everywhere とは

我々の周りには、至る所にさまざまな現象が現れている。それらを解明するためには、まずは現象を記述するモデリング(数理モデルの構築)が必要であり、次に、それを解くための数学が必要となる。このようにモデル構築は、それだけでは意味がない。モデルは数学の力で解析されて初めてその価値が見いだされる。現象の解明には、モデリングと数学は車の両輪のような関係であることが重要である。この結果、数学は至る所に現れるのである。